金銭面を視覚化すること、囚われ過ぎないよう概算に留めておくこと
まず、金銭面での不安について。
現実問題、今の日本はとっても不景気です。物価は上がる一方なのに、もうずっと前から給料は上がっていませんし、もらえる予定の年金額も下がり続けています。
妊娠して出産すればゴールというわけではなく(出産一時金という制度があるとはいえ、それ以外にもめちゃくちゃお金がかかる)、子供が大きくなるにつれてお金はかかる一方だ、ということは子供がいないわたしにも容易に想像できます。
自身の経験から「親にやらせてもらっていた習い事が今に活きているから、自分の子供にも同じようにしてあげたい」「自分は奨学金の返済に苦労したから、自分の子供には同じ思いをさせたくない」などと考える人も多いのではないでしょうか。
世帯収入、今後収入がどれほど上がるかの見通し、親からの援助の有無、資産をどれだけ持っているか……そういったものを考えた結果、中には子供を持たないという選択をする人もいます。
我が家にはと~っても潤沢な資産があります! 子供が幼稚園から大学まで私立に通っても余裕余裕! 習い事はなんでもやらせてあげられます! 東京の医学部だろうが美大だろうがなんのその! どうぞいくらでも浪人して予備校に通ってください! なんて人は、ゼロではないにしても今の日本においてはほんの一握りでしょう。
わたしは親に対して、何不自由なく育ててもらい、きちんと生きていくための教育を受けさせてもらったと心から感謝していますが、特段お金持ちの家ではなかったと思います。
ただ、自分よりもずっと裕福な家庭に生まれ育った周囲の人と比べたときに、自分のほうが不幸だと思ったことは一度もありません。
子供に対して、いい教育や様々な経験をできるだけさせてやりたいという気持ちはよくわかります。
ですが、なにもかも叶えてやるなんてのはどだい無理な話なわけで、現実を教えるのも親の役目のうちの一つだと思いますし、子供の立場でなにか感じることや学びもあるのではないでしょうか。
もちろん、金銭的な話は綺麗ごとばかりでは通用しないとは思います。
あなたの言う金銭的な不安というのがどれほどのレベルを指しているのかはわかりかねますが、明日食べるものにも困っている状況だったり、家賃を払えずにすぐにでも家を追い出されそうであちこちに借金を申し込もうとしているなど、自分自身が生活するのにもギリギリなのであれば、「ちょっと待って、もう少し準備しようか」とわたしも言っていたと思います。
そこまでではないにしても、今の自分たちにはどれくらいお金がかかるものなのかざっくり概算し、そのためにあらかじめ貯金をして備えておくことは必要でしょう。
そういった現実的なお金の話や経済プランの見直しは、旦那さんとよく話し合っておくことはもちろん、ファイナンシャルプランナーに相談することも選択肢に入れてほしいと思います。
現時点での収支のバランスや将来設計にかかるお金の概算について、専門家の意見を聞くことが一番実践的な解決方法ではないでしょうか。
だからと言って、完璧なプランを立ててそれに縛られてしまわないように気をつけてほしいとも思います。
だって、人生においては不測の事態なんてのはいくらでも起こる可能性があるのですから。
もしかしたらあなたも旦那さんも突然体調を崩して働けなくなるかもしれませんし、未曽有の大災害によって無一文になるかもしれません。
でも、そんなことを考えていたらキリがないですよね。
経済的な面を視覚化しておくことと、それに囚われ過ぎないようにあくまでも概算に留めておくこと、この2つの塩梅が大事なのではないでしょうか。
経験者のアドバイスを取り入れ、孤独にならないこと
次に、出産後のたいへんさについて。
身体的・精神的な疲労はもちろん産後うつなど、誰しもがそうなる可能性を孕んでいるため、社会問題にもなっています。
それらをできる限り予防するために、あらかじめどういった行政のサービスがあるのか、民間企業があるのかを調べておくことをおすすめします。
料理をする余裕がないときの食事の宅配サービス、手が届かない部分の家事代行、リフレッシュしたいときの一時保育など、実際に利用するかどうかはさておき、しんどいときに頼れる機関があると知っておくだけでも気持ちは楽になるはずです。
また、出産を経験した人、現在育児中の人は、自分の周囲にはいなくてもインターネットやSNSにはたくさんいますよね。
出産・育児の先輩たちは、「あのときこれを利用してすごくよかったよ!」「このサービス知ってる? めちゃくちゃ助かるしおすすめだよ~」「夫とこんな理由で喧嘩したけれど、こうやって乗り越えたらよかったなって今になって気づいた!」など、自分の経験から学んだことを同志たちに積極的に発信してくれています。
そういった実際に体験した人のアドバイス、プラスの意見を積極的に摂取していくことも、不安を解消する手助けになるのではないでしょうか。
行政だろうが民間だろうがサービスはどんどん利用してこ! 双方の親も友達にも困ったときは助けてもらお! という気持ちで、孤独を感じないように、自分ひとりだけで抱えこまないように、そしてお互いが疲れているときの対策と心構えを旦那さんと共有しておくことをおすすめします。