転職後や産後に夫婦仲が悪化する理由

夫婦の会話時間と会話の内容のチェックをしているのは平時でも意味がありますが、有事のときほど効果を発揮します。有事の代表例としては、冠婚葬祭前後とか、転職後とか、産後とかですね。

例えば、夫が転職をしたとして、転職前後は環境に適合するためにかなりのストレスを感じます。なぜ転職をしようと考えたかもそうだし、転職先での人間関係の悩みでも、一番身近なパートナーにこそ話しておくといいことです。夫婦は一番小さな社会の互助機能で、支え合えるものですからね。

でも、夫婦の会話内容をチェックしてみたら、夫の仕事の話はほとんど登場していなかった。これはマズい。夫が一人でストレスを抱えている可能性がある。

他にも、出産後の夫婦だと、会話はすべて育児の話になりがちです。それが悪いわけじゃないけれど、他の話もしておかないと、激動の子育てをしているうちに、相手が何を考えているか分からなくなってしまうことがある。一方で、育児の話がまったく登場しないのもおかしい。

夫婦の間のバランスももちろん大事

そのときそのときでバランスを取って会話ができているといいんですけどね。でも、なかなか上手くいかないから、意識的にどんな話ができているかを可視化してチェックしてみるわけです。

最後ですが、会話が夫婦ともにバランスがよくとれているかも大切なチェックポイントですね。もちろん話下手な人や、話好きな人はいるから、一概には言えないけれど、自分ばっかりが話しているということは、相手を理解する機会が少ないということです。

自分も色んな話をするし、相手からも色んな話を聞いているというのが、お互いの理解に通じ、将来の揉め事の種を潰します。

Text/斗比主閲子

初出:2017.10.11