婚外相手の理解が得られるか?

三つ目は、婚外恋愛をする相手を適切に選び、丁寧な説明をし、理解を得られるかが難しい。

夫婦が合意の上、どちらかもしくは両方が外で恋愛をすることは、夫婦の中ではまったく問題ありません。ただ、婚外恋愛をする相手はどうでしょうか。

婚外恋愛の相手が独身者であったときに、この独身者に対して、「私は既婚者だけど、家庭のルールで、外で恋愛してOKなんだ。あなたとは結婚する気はないけど、そういう前提で付き合わない?」と伝えている必要がありますよね。

独身者に「この人と結婚できるかも」と期待させていたら、早晩修羅場に展開します。また、独身者が初期に納得して付き合っていても、「結婚できないとは聞いていたけど、いい人だからやっぱり結婚したい」と思うようになることはありえます。夫婦の間では合意があったとしても、相手の心まではコントロールできませんから、こんなときにどう対処をしたらいいでしょうか。

婚外恋愛の相手が既婚者のケースは、さらに複雑です。この既婚者が婚外恋愛を許可されていなければ、普通に妻/夫が浮気している状態です。つまり、婚外恋愛を許可していない夫婦のどちらかと恋愛をしたら、相手の家庭を壊すことになります。不倫をしたことでの慰謝料(損害賠償)の請求を受けることもありえます。

確実に問題なく婚外恋愛をするのであれば、婚外恋愛の相手(既婚者ならその配偶者も)との間で、夫婦立ち会いの元、同意書を書いているぐらいが安全だと思います。ただ、簡単じゃないですよね。

後で婚外恋愛禁止にしにくい

最後に、ルール変更の問題。婚外恋愛許可制というのは、夫婦の合意のもと成立しているわけですから、了承を得られなければ撤廃されることになります。しかし、現に婚外恋愛をしているときに、「やっぱり、あなたには婚外恋愛をしてほしくない」と言われて、「はい、止めます」と止められるでしょうか。

婚外恋愛といっても、恋愛ですから、自分は婚外恋愛の相手を好きなわけですよね。強制的に好きな相手との関係を終わらせるというのは、簡単なことではありません。結果的に、婚外恋愛許可制の撤廃に反対することは十分にありえます。

以上が、私が考える婚外恋愛の難易度が高い理由です。

結婚への考え方は多様化していますから、婚外恋愛が成立しやすい環境は整ってきているとは思います。SNSの利用拡大で出会いの機会も増えていますしね。

ただ、ハードルが下がっても難易度は高いですから、修羅場や面倒を回避したければ、ご利用は計画的に!

Text/斗比主閲子

初出:2018.02.16