「すごい女性を呼びましょう」飲み会にきたのはフェラチオ子だった/中川淳一郎

これまでに出会ったエロい女の中でも屈指の女を今回は紹介する。あだ名を「フェラチオ子」という。いや、彼女を知っている人々が彼女をそう呼び、彼女はそのあだ名をよしとしていたのだった。僕は地方の国立大学から東京の大手広告会社に入り、「東京ってこんなにバカでかくてすげー街なんだ……」と上京してからは驚きの連続だった。

配属2日目、僕の「トレーナー」という名の新人研修担当になった吉田氏は「広告業界は色々な人を知っておかなければならない!」という判断のもと、僕を連れまわして1時間単位で次々とさまざまなオフィスを訪問した。17時に行ったのは、とある著名なジャーナリスト・榊原氏のオフィスだった。

吉田トレーナーは榊原氏とも一緒に仕事をしたことが何度もあるようで、飲み仲間になってしまったのだという。「こいつ、ニノミヤっていう新入社員です。今後どうぞよろしくお願いいたします」と紹介してくれ、しばらく喋ったところで「じゃあ、飲みに行きますか」という話になった。

一軒目は東急東横線の某駅のモツ焼き屋へ行き、そのままタクシーに乗って別の場所へ。榊原氏は「次に行く店が面白いんですよ」と言った。店に入ってすぐに榊原氏はスタッフの男性を僕に紹介してくれた。「ニノミヤさんっていって〇〇社の新入社員」と言うとスタッフは「あら、よろしくね」と言い、僕の顔を持って動けなくしたうえで突然ブチューとキスをしてきた。

そこからやってくるスタッフ全員が「あーら、いらっしゃい」なんて言っては我々のアソコを触ってくる。榊原氏は「この店、スタッフ全員がおネエなんですよ。すごくいい店です」と言った。

出てくる料理はいずれもおいしく、1時間もすると、スタッフの濃厚接客にも僕は慣れてきた。何しろアソコを触るかキスをしてくるのだ。そこで榊原氏が「あっ、すごい女性がいるので呼びましょうか」と携帯電話で誰かに電話をかけた。

「30分ぐらいで来れるそうです」

榊原氏が呼んだ「すごい女性」

どうやらこれからやってくるその女性は、とある芸能人のマネージャーをやっているそうで、30代前半だという。やってきた彼女、アケミさんは、「すごい女性」のようには見えず、小柄で清楚なおとなしそうな美人だった。彼女が席につくとスタッフがおしぼりとお通しと箸を持ってきてくれたが、「あーら、このエロ女、また来たわね~」と言う。別のスタッフも「あらアンタ、フェラチオ子じゃない、元気だったぁ?」と言う。

この瞬間、「フェラチオ子ってなんだ????」と頭の中が混乱してしまった。榊原氏とアケミさんは仲の良い飲み仲間らしく、2人の間では話が盛り上がった。吉田トレーナーとアケミさんは初対面だという。僕に対してアケミさんは「社会人は大変だと思うけど、頑張ってくださいね」と丁寧に言った。

1時間半ほど皆で酒を飲んでいたが、全員酒は強く、かなりの量が空いていた。すると、いきなりアケミさんはテーブルの下に潜った。スタッフは「あーら、またなのぉ~」とニヤニヤしながら言う。一体アケミさんはどうしてしまったのだろうか……。

すると、吉田トレーナーが「うわー!」と叫んだ。榊原氏は「いいからいいから、驚かないでください」と言う。年長者である榊原氏から言われたら吉田トレーナーも従うしかない。吉田トレーナーはキョロキョロと店内を見渡すが、スタッフは平然としている。吉田氏は途中、観念したかのように黙っていた。榊原氏からは「下を見ないでいいから、ニノミヤ君、ここは飲もう」と言い、榊原氏からは社会人としての掟を色々と聞いていた。

すると突然下から僕のスーツのベルトを外され、ズボンとパンツをおろされた。なんと、テーブルの下のアケミさんだった。そして、僕のアソコをパクリと咥えた。吉田トレーナーを見ると何やらバツの悪そうな顔をしている。

遠くの方ではスタッフがこちらをニヤニヤしながら眺めている。公衆の面前でフェラチオをアケミさんからされているのだから、緊張のあまり萎えるに決まってるではないか。ただ、さすがに22歳の若い男である。次第にアソコは怒張してきて、アケミさんの裏筋舐めやジュポジュポという動きには気持ちよくなってしまう。しかし、こんなところで射精をするわけにはいかない。ただ、ヤバい、このままではイッてしまう! どうすればいいのだ! といったところでアケミさんは口を離して席に戻ってきた。

僕はすぐにパンツとズボンをはき、ベルトをした。アケミさんは何事もなかったかのようにチューハイを飲み、再び飲みの席に戻った。吉田トレーナーは「アケミさん、一体なんだったんですか!」と言い、僕も「ちょっとちょっと、これ、どーいうことですか!」と聞いた。

するとアケミさんは「私ね、酔うとつい同席している男性のアソコを咥えたくなるんですよ。私の趣味みたいなもんなので気にしないでください」と言った。

そして、店のスタッフがやってきて「あっらー、フェラチオ子、今日の2人はどうだった?」と言い、さらにスタッフは僕のアソコを触り「あっらー、このコ、まだギンギンよぉ。フェラチオ子、最後までイカせてあげればよかったのに~」なんて言う。どうやら「フェラチオ子」というあだ名はこの店のスタッフがつけたようである。

僕は配属2日目にして「東京ってなんてすげー場所だ!」と仰天するとともに「いやいや、こんな、お店の中で液体を撒き散らかすわけにはいきません!」と大袈裟に手を振った。 その後、アケミさんが同様の行為をすることはなく、お開きとなったのだが、配属2日目にしてとんでもない体験をしたな……とこの日は家に帰っても困惑し続けるだけだった。

そして、同様に「東京という街は何があるか分からないとんでもない街だ……これから心してかからなくては……」と思ったが、以後、アケミさんのような人に会うことはなかった(当たり前だ!)。

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