「恋愛をする=傷つく」に留まらないで

過去のつらい恋愛経験から臆病になっているようですが、恋愛に対する恐怖心というのは本人にしかわからないことなんですよね。
周りの人からすると、「今までたまたま上手くいかなかっただけで、これから出会う相手はみんな違う人なんだから大丈夫だよ!」と簡単に言ってしまいがちなんですが、たとえそれが元気づけようとして発せられた言葉だとしても、実際に経験した本人にとっては「そんな簡単に言わないでよ……」と思いたくもなるでしょう。

もしかしたら、彼とお付き合いをすることで恋愛に対する恐怖心はなくなるかもしれませんし、お付き合いをしなくてもひょんなことから考え方がガラリと変わるかもしれません。また、たとえお付き合いをしてよい関係が築けたとしても「どうせいつか別れるのに……」という不安はずっと拭えないままかもしれませんし、どんなに頑張っても彼と上手くいかなくてより一層恋愛に対して臆病になるかもしれません。

当たり前ですが、それは現時点では誰にもわかりようのないことなのです。
だからこそ、環境が変化することに二の足を踏んでしまうのでしょう。

ただひとつだけ言えるのは、人間はずっと同じ場所に留まっていることはできないということ。

生きていれば否が応でも環境は変わり、出会う人も増え、時に流されながら、意識的かつ能動的でなくとも、考え方と自分の居場所はいずれ着実に変化します。
流れに身を任せるのか、抗うのか、そしてそのタイミングをいつにするかはあなた次第ですが、決めつけで物事を見ると選択肢が狭まり、変化したかたちが望んでいないものになりかねません。
恋愛しても恋愛しなくても、傷つくときは傷つきますし、傷つかないときは傷つきません。
恋愛をする=傷つく、恋愛しない=傷つかない、という凝り固まった考えを持っているのはもったいないと思います。

関係性に変化は当然。でも変化の中で得られる縁もある

あなたは「彼と付き合わなければ、彼とも、彼を含めた仲良しメンバーとも、これからずっと仲良しのままいられる」と期待があるようですね。
その気持ちは、とてもよくわかります。
気の合う友人たちというのはとても貴重で代えがたい存在ですから、ずっとずっと仲良しでいたい思うのは至極当たり前です。

しかし、厳しいことを言わせていただきますが、その関係が永遠に続くという保障はどこにもありません。
そもそも、彼があなたに友達以上の、恋愛としても好意を抱いた時点で、すでに関係性に変化が生じていますからね。
今後、彼があなたに告白などをしてあなたが断れば今まで通りの関係性というわけにはいきませんし、あなたと彼以外のメンバー同士で恋愛に発展することも可能性としてはゼロではないはず。

たとえそういった自発的なターニングポイントがなかったとしても、人間の縁とは流動的で一種の生ものですから、努力だけで維持できない部分も確実にあります。
就職や転職、転勤、結婚、出産、離婚、病気など、人生では様々な転機が訪れますし、それに伴い、考え方の変化、人間関係の変化があるのはどうしたって仕方のないこと。
「できる限り今の仲良しのままいたい」と思っていても、それぞれの環境が変われば物理的に叶わなくなり、価値観の変化も相まってどのコミュニティに重きを置くかも変わっていきます。
これは、“そういうもの”で“当たり前”なのです。

環境が変わって、考え方や生活の仕方も変わって、付き合い方もかつてのものと変われど、仲良しのままいられることはもちろんありますが、これも変化の中で得られるひとつの縁です。
たとえ彼とあなたの間で何も起こらなかったとしても、時間に流れによって望んだ方向だろうが、そうでなかろうが、必ず変化はあります。
今の関係性に変化がひとつもない、というのはあり得ません。
だからこそ、変化を起こさないために自分自身に我慢を強いてひたすらに耐えるというのは、わたしは賛成できかねます。

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