まず、「別れない」を選んだ理由を見つめてみて
パートナーの浮気が発覚したときに、別れる選択をしても、付き合い続ける選択をしても、種類は違えどどちらも苦しみがあるのはたしかです。
好きな人と別れるのはとてもつらいことですし、別れたあとに「頑張れば乗り越えられたんじゃないか」と後悔することもあるかもしれません。
逆に、付き合い続ければ「また浮気されるんじゃないか」と疑心暗鬼になるでしょうし、何年も経ってから「やっぱりあのとき別れておくべきだった」とこちらも後悔するかもしれません。
どちらにしたって、「もう一方の選択をしておけば……」と思わないことはないでしょう。
おそらく、あなたはそういったことをたくさん考えたうえで、これからも彼と付き合っていく決断をしたのでしょう。
そんなあなたの決断に対して、外野がとやかく言うことではないと思います。
「付き合っていくって決めたんだから、いつまでも引きずるな!」なんて、わたしは全く思いません。
「彼のことが好きだから彼の過去も含めてこれからも付き合い続ける」「ひどく苦しいけれど関係を修復していきたい」「でも許せなくてずっと考えてしまう」と、感情に激しい波があるのは当然のことです。
あなたの感情は簡単に形容できるものではありませんから、付き合っていくとはじめに決めたことを素直に全うできないからといって、自分を責めないでください。
ただ、彼との関係を修復していくための道筋をお話しする前に、ひとつだけ気になった部分があります。
それは、相談文に書かれている彼と別れなかった理由として挙げられている「今まで5年も付き合っていたから、結婚も意識した関係だから」という点。
もちろん、別れない選択をした背景には「彼のことが好きだから」「浮気はしたけれど彼にはいいところがたくさんあるから」という理由が存在しているのは理解しています。
でも、その「5年も付き合っていた時間」「結婚を意識した関係」という言葉の裏に「これまで付き合っていた時間が無駄になる」「結婚の約束をしていたのに今さら引き返せない」という気持ちがないか、少し心配になりました。
もちろん、そういった気持ちはゼロではなくて当たり前だとは思いますが、ただそこに強く固執しまっているのであれば、一度考え直してほしいと思います。
自分にプレッシャーをかけ、囚われすぎてばかりだと、逆にあなたの未来の時間を無駄にすることになりかねません。
どんな決断をするにせよ、これまでのあなたの時間は無駄になっていませんし、これから先の未来は明るいものになることを、わたしが保証します。
持続している自分の感情を共有する
さて、それでは本題である、こらから彼とどう接していけば以前のような関係になれるかについてお話しをさせていただきます。
相談文にあるように、「自分の知り合いと関係を持ったんだ」という不信感、そして触れることができない理由の根底にある嫌悪感が今後どのように変化していくのか、こればかりは時間が経ってみないとわからないことなんです。
先でもお伝えしましたが、感情には波がありますから、だんだん負の感情が薄れていっても、ふとした瞬間にフラッシュバックして急に嫌悪感が増すかもしれませんし、今がものすごく嫌で嫌でどうしようもなくても、徐々に気持ちが楽になるかもしれません。
「どうすればいいか」というのはとても難しくて、本人の性格や浮気に対する捉え方というのはそれぞれ違いますから、「こうすれば大丈夫!」という魔法の言葉は、残念ながらないのです。
だから、あくまでも“わたしがあなたの立場だったら”という前提でお答えしますが、わたしだったら、まず思う存分感情をぶちまけます。
おそらく、あなたは彼の浮気が発覚した時点で、「かなしい」「腹が立つ」という感情や、「どうしてそんなことを……」という疑問は伝えているのでしょうが、相談文からはなんとなく全ての感情を彼にさらけ出してはいない気がしました。
これからも付き合っていくことを考えたら、全てをさらけ出すことは憚られるのでしょう。
でも、「彼に触れられない」とまで思ってしまうくらい、あなたにとってはよほどショックを受ける出来事だったんですから、それを消化するためにも思い切って感情を出したほうがいいと思うのです。
吐き出す方法として、「浮気されてかなしかった」という一時の感情だけでなく、「あなたがわたしの知り合いと浮気をすれば、わたしの今後の人間関係がどうなっていくかまで考えが至らなかったの?」「これから先、わたしはあなたのことをずっと疑いながら生活をしていかなくちゃいけない」「一度浮気をされたら、過去にも同じようなことがあったんじゃないかと考えてしまう」など、彼の人格を否定するのではなくて、自分がどれほど苦しいか、これから先苦しんでいかなくてはいけないか、持続する感情を共有します。
そうすることで、あなたの感情がよりクリアになるだけでなく、彼がきちんと全てを受け止めてくれるのか、それとも「面倒くさい」と一蹴するのかなどの対応が目に見えるため、今後どう向き合っていくべきかが具体的になるのではないでしょうか。