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喫煙所についてきた雑草汰が……

それはさておき、この日の雑草汰はワインをたくさん飲んでいて、ことあるごとに鼻につく「ハハッ!」という笑い声で私たちを、いや、店中を不快にさせてくれたのですが、私的に最も不快だったことは喫煙所に毎回ついてくること。
私も雑草汰もタバコを吸うので、当然と言えば当然の流れなのですが、「お前とサシで話すことないし、その連れションメンタリティーやめてくんね? てか、もはやお前はタバコを吸うのもやめてくんね?」と理不尽なことを内心ずっと思っていました。

だって、4人で話しているときは別に普通のキモい奴なんですけど、後輩のいない空間になると、急にイケメンぶるんですよ。雑草汰の分際で福士蒼汰ぶってくるんです。

「俺さぁ、ぶっちゃけ散々遊んできたからさぁ、もうヤるとかそういうの興味なくて、楽しく飲めればいいんだよね。別に」

「はい、嘘乙。ではマッチングアプリを退会してください! この場で退会してください!」と言いたい気持ちをグッと堪えて、私は「そうなんだ〜! モテる人ってそうなるんだね。そういう大人な人がカッコいい」と嘘に嘘で応対しました。ちなみに「そういう大人な人がカッコいい」という私の発言により、雑草汰は無事に下心を出すことができなくなりました。我ながらいい牽制球を投げたと思います。

そして、私の女友達と雑草汰の後輩の待つテーブルへ戻ると、二人は音楽の話でそこそこ盛り上がっていたのですが、急に雑草汰が「俺ラップしか聞かないからな〜。マジでヒップホップしか興味ない。ラップとか聞かないっしょ?」と急にワイルド感をアピールしながら、マウントを取ろうとし始めたのです。そこで、私は「GASHIMAとZORNのラップなら聞くよ」と答えたのですが、それに対して雑草汰は「GASHIMAは俺の中でヒップホップじゃないな〜(笑)」と赤ワインをクルクル回しながら言ってきたんです。

さすがに「は?」と思いましたね。「GASHIMAのバトルを見たことあるか?」と小一時間問い詰めたくなりました。てか、マッチングアプリで女を引っ掛けて、赤ワインをクルクル回してるお前にヒップホップを語る資格などこれっぽっちもありませんし、どうしても語りたいのであれば、まずはそのワインをテキーラに持ち替えて、センター街でナンパしてこいよ。

地獄の合コンが幕を閉じ……

さらに解散間際、最後の喫煙タイムにて。赤ら顔の雑草汰が「ぶっちゃけ二人ともいいよね。マジで永住するなら沖縄と北海道どっちがいい?って究極の選択を迫られてる感じ(笑)」と言ってきたんです。
このとき、私は「いやいや、宝くじを買えてすらいないのに使い道を考えだす奴よりもお前は愚かだな。この場で永眠するのと死ぬのどっちがいい?」と聞き返してやりたくなりましたが、一周回って面白いので、慈悲の精神でコイツを生かしておくことに決めました。

ちなみに喫煙所を出てから、お手洗いで女友達に「私かアンタかを選ぶのは、沖縄と北海道どっちに永住するか究極の選択だわ〜って雑草汰が言ってた(笑)」と報告すると、彼女は少し天然なので「は!? きんも! どっちが沖縄でどっちが北海道だよ!」と大変激怒しておられました。

え、そこ?

お手洗いからテーブルへ戻ると、雑草汰から「じゃあ、そろそろ行こうか! 俺、明日仕事だし」と言われました。私は「お前が休みでも帰るけどな」と思いましたが、笑顔で店を出ることにしました。そこで、女友達がこの上なく白々しい顔で「え、お会計払ってくれたんですかー?」と雑草汰に対して尋ねました。

すると、雑草汰は「はい、もちろん(クッソドヤ顔)」と答えた後に、連れてきた後輩に対して、「お前分かる? 男はこういうスマートさなんだよ。分かる? こういうのが大事なんだよ。ごちそうさまは?」とクッソドヤ顔でイキりはじめたのです。もうね、ただただ恐怖ですよ。
それに対して、女友達はこの上なく心の宿らない声で「本当にかっこいい! スマート! 素敵!」とひたすら連呼していたので、私は「これ以上そいつを神輿のだんじりの上に乗せるのはやめろ!」と小声で本当に耳打ちをして、ようやく祭りは閉会しました。

ちなみにこのコラムを読んだ編集部の方から「さすがにオーバーキルすぎるのでいいところも書いてあげてください……!」という要望が送られてきたのですが、たしかに福士蒼汰には似ていなかったし、絶対にモテない男でしたが、ご飯の食べ方だけは綺麗でした。だからなんだって話ですけどね。

最後にその数日後に雑草汰から送られてきたLINEを貼っておきます。

いや、どうぶつの森かよ。

ご静聴ありがとうございました。

Text/妹尾ユウカ