電車や数十人規模のイベントで

おすすめは駅のホームで電車を待っている男です。大抵の場合スマホを見ているでしょうから、どうせ暇な時間です。しかも、スマホをすでに手にしているわけですから、ツイッターだろうがLINEだろうがその場でササッと連絡先交換ができる。もしも断られたとしても、その場から離れて別の車両に乗ってしまえばいいし、もしもOKが出たら、何駅か電車の中で喋ってみてもいい。ただし、3駅以上だと辛いので、2駅先の駅に用があるときこそナンパのチャンスです(都心の場合)。5分ほどの会話ができるぐらいがお互い名残惜しくていい。

私の知り合いで「行列に並ぶとナンパをしてしまう人」というのがいます。それは合理的だな、と思ったのですが、その人が強調していたのが「行列があると生理的にナンパをしてしまいたくなるわけじゃないですよ!」ということです。

あくまでも、「芝居のチケットを買う行列でナンパをするのです」ということです。この人はなぜこのナンパ方法が優れているかを力説します。

同じ芝居を観たいと考えている人であれば、趣味が合うんです。行列を作ってまで芝居を観たい人と話が合うのも想像できる。あと、同じ趣味を持っているからこそ、声をかける大義名分があるんですよね。相手もその芝居とか演者の話をするのは好きでしょうし」

この人はいきなりナンパをするのではなく、芝居の話をしながら、脈があるなと思った場合「この後、チケット買えた後お時間ありますか? もっと〇〇(作品名や演者名)についてお話ししたいですね」と誘うそうです。

この「芝居」という規模とディープさがいいのでしょうね。たとえば、プロ野球の試合であれば、とにかく規模が大き過ぎる。さすがにホームランの日本新記録がかかった試合や日本シリーズぐらいの熱気であれば、「今日で決めてほしいですね!」「今日で優勝ですね!」なんて話しかけやすいものの、普段の試合の場合だと喋りかけるのが不自然というか、正当性のようなものがないような気がします。

「私、坂本勇人のファンなんですよ」なんて言っても「オレもそうだけど何か?」的な話になってしまいます。数十~数百人のイベントであれば、もっと熱をもって話すことができるはずです。

というわけですので、「男は女性から話しかけられたら嬉しいもの」という多くの男の気持ちを理解しておけば、街で出会った素敵な男性とお知り合いになれるかもしれません。冒頭の質問にあった打ち合わせで出会った素敵な人にしても、名刺交換などはしているでしょうから、メールをして誘ってしまえばいい。多分彼はそのメールを何度も見返してはニヤニヤしてしまうほど喜ぶはずです。