「もう私のこと好きじゃないんでしょ!」とキレる前にできること/中川淳一郎

女性のこぶしの画像 Brooke Lark

今回のテーマ「彼氏の愛情を確かめたい」
一般的に男性は付き合いが長くなると「好き」だとか言葉での愛情表現をしなくなると言われてますが、それでもたまには愛情を確認したいです。気持ちを確かめられる方法はありますか?

気持ちを確かめる究極的な質問とは?

時々「高校時代からずっと付き合ってて結婚」みたいなカップルもいますが、若い男はすぐに目移りしてしまうものです。それはエロの回数が減る、といったところから表れるのですが、男の頭の中にあるのは「別の女ともエロしたい」という燃えたぎるパトスです。

これがあるからこそ、密かに「彼女いないよ」と別の女にはウソをつき、その女とのエロに持ち込もうとする。こうした男の態度こそ女性が「彼氏の愛情を確かめたい」という気持ちを抱く状況なのではないでしょうか。いや、これ、せいぜい30代前半までの話ですから。その後もこんな状態の男でしたら、そいつは無責任なヤツでしょうからさっさと別れた方がいいでしょう。

もう一つは、あなたの束縛傾向や「仕事と私、どっちが大事?」的な、正解があるわけもない質問をする点に嫌気がさしているとき、「オレにはこの女でいいのか?」と思ってしまうことがあります。こんなときにも「彼氏の愛情を確かめたい」となってしまう。

こうした2つの状態というのは、若いときは仕方がない面もあるので、究極的な質問としては「私たち、結婚あり得る?」と聞いてみるのがいい。
そこで「もちろん」や「ああ」といった明確なものでなくとも、「(一瞬黙った後)あ、あぁ……」「いずれ」レベルの返答があったら「ある程度の愛情はある」状態だといえましょう。「分からない」や「いや、そんなこと考えたこともない」だったら気持ちは離れているかもしれない。「結婚という形なんてどうでもいいじゃん」と言った場合、判断は難しい。

ただ、「エロ激減」「オレにはこの女でいいのか? 的雰囲気発生」のときにこれを聞いてみると、もしかしたら愛情は減っているのかもしれない。ちなみに同棲期間が長くなったり、結婚期間が長くなったりした状況でエロの回数が減っているからといって、それは愛情がなくなったという解釈しないでいいです。

本来エロというものは淫靡かつコソコソやる行為だったわけで、あまりにもあなたとの時間が「当たり前」で「家族」としての時間になったから、エロをするのが気恥ずかしくなってしまうのです。

「ケンカをした後の対応」で愛情を判断できる

上記のような確認方法はあるものの、愛情があるかどうかを判断するにあたってもっとも分かりやすいのは、ケンカをした後の対応です。男女が付き合っていれば数ヶ月に1回ぐらいはケンカをするものです。

いやはや、私も参りましたよ。仕事が猛烈に忙しくなる中、彼女と私のために朝7時、朝食を作っていたときのことです。その日の10時からの打ち合わせは、電車では行きづらい場所でした。

私は、滅多にラッシュアワーの電車に乗らないものですから、朝9時台の電車に乗りたくないなぁ、あぁ、イヤだなぁ。でも、タクシーに乗って4000円ぐらいかかるのもイヤだし、そもそもこんな時間、タクシー捕まるワケないから結局電車に乗ることになるんだよなぁ……なんてボヤいていたんですよ。当然9時台の電車がイヤ、という時点で甘っちょろい考えだというのは分かります。

そうしたら、彼女は「タクシーを呼んであげようか?」と言います。そして「何時に呼べばいい?」と言ったので「そんなこと考える余裕がない」と一言返してしまいました。これが彼女の逆鱗に触れ、以後ブスッとして何も喋りません。
そのまま会議には行き、その日は21時までずっと外にいる予定でした。外にいる間、ずっと私は「なんであの程度のことで怒るんだよ」と思いましたし、彼女も「私に対する愛情がなくなったのか」なんて思ったことでしょう。

とはいっても、あの対応は良くない。せっかくの親切心でタクシーを予約してあげようと思ったのに「余裕がない」と冷たく言う。いや、調理人として私の言い分を述べると、そのとき、半生の沖縄そばを茹でていたんですよ。

しかし、その脇でスープも作っていた関係で、麺を湯に入れた直後、かき混ぜるのがおろそかになってしまったんです。生麺か乾麺であればある程度テキトーにかき混ぜてもほぐれるものなのですが、この半生麺というヤツはお湯に入れた直後が勝負だったのです。そうしないと麺同士がくっついてしまい、とても食べられたものではなくなってしまいます。
だからこそ、スープを完成させることと麺をほぐすことに必死になり、「9時20分」やら「9時15分でお願い」などと言う余裕すらなかったのです。

あくまでもこのときは「麺を無事にほぐし、それでいてスープと菜っ葉・ソーキ・カマボコを適切な堅さにする」ということに心が行き、「9時20分」「9時15分」について考える余裕がなかったのです。それを彼女は「忙しい今は私に対して構う時間がない」と考え、「私への愛情が消えたのね!」となってしまった。