どうして家族はバラバラになるのか?
「育ってきた環境が違うから 好き嫌いはイナメナイ」のは分かるけど、育ってきた環境が同じなのに好き嫌いどころか何もかもが違うのはナンデナノ?
浮気中の旦那と反抗期の娘を抱えるバーバラは生真面目。地元で秘密の恋をしている不器用なアイヴィー、怪しい婚約者を運命のひとと思い込んでいるカレン。
まるで姉妹とは思えないバラバラな人々が一堂に会した時、それはもうただ事じゃ済まされない。
互いに本音を隠し、この人には真実を言うが、この人には嘘を言う。そういう経験は誰にだってあると思う。
だけど、バイオレットほど平等に毒を吐く人間はごく稀。そのせいでいざこざが生まれ、家族が揃う約20分の食卓シーンは緊張と笑いの連続技でひと時の油断も許されないのです。
家族は“女”のショーケース?
三姉妹いれば3タイプの衝突がある。同時に、3タイプの“女の生き方”を楽しめる。
バーバラはある意味一番の成功者。しかし、大学の教員仲間と結婚して一児をもうけ、誰が見ても順風満帆な日々を送っているかと思いきや、家庭に大きな問題を抱えている。
アイヴィーは男っ気がなくて地味だが、彼女にとっては心が満たされる恋愛を続けている。
カレンは周りが見えず、感情に流されっぱなし。その証拠に、明らかに胡散臭い婚約者に運命を感じている。
誰が理想で、誰が幸せなのでしょう。
どこにでもある家庭における“分かり合えなさ”をストレートに描き、そこに真実をついたバイオレットの毒舌がツッコミを入れるから、笑いとなって飛びかかってくる。
笑える分、キツい。女の生き方はこうも違ってくるものなのか。
バーバラの神経質な怒りと、アイヴィーの切なさと、カレンのダメっぷりに見覚えがあるのなら、他人事とは思えない焦りに襲われるはずです。