山田洋次監督最新作は直木賞作品!おばあちゃんが60年秘密にしていた“恋愛事件”とは?『小さいおうち』

 誰にだって秘密はある。
好きになってはいけない人を好きになってしまう事もある。一人だととても抱え込めない葛藤。今の時代だと、口の堅い友人に相談する事はできる。だけど、昭和の戦時中はあらゆる贅沢が戒められ、 そのような恋愛をすれば、不謹慎な非国民扱いをされていた。

 “秘密”を抱えた二人の女性が、混沌とした時代で何を思い、どのような生き方をしたのか。 一人の青年が手にしたノートから、それを紐解いていきましょう。

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 第143回直木賞に輝いた中島京子の同名ベストセラー小説を、長きに渡り“家族”を描き続けてきた名匠・山田洋次監督が映画化。家族の絆に焦点を合わせてきた山田洋次監督が今回ターゲットを絞るのは、ある裕福な家庭に女中として仕えた女の“秘密”。家族というものを客観的に見つめ直します。

 主演は『告白』『夢売るふたり』などの松たか子。そして、彼女を慕う女中を『草原の椅子』『舟を編む』など近年活躍に注目が集まる若手女優の黒木華が演じます。おしとやかで繊細なキャラクターがピッタリ。その古風な雰囲気には、本当に昭和の時代を生きていたかのような魅力が詰まっています。
片岡孝太郎、吉岡秀隆、妻夫木聡、倍賞千恵子が名を連ね、昭和と平成を行き交う二つの恋の真実が語られます。

誰にも言えない秘密を60年抱えた理由は…?

 【簡単なあらすじ】
 東北の田舎から出てきた純真な娘・タキ(黒木華)は、東京郊外に建つモダンな作りの“小さなおうち”で女中として働き始める。玩具会社に勤める夫と一人の息子を支える妻・時子(松たか子)を慕い、一家3人+女中で楽しい日々を過ごしていた。
しかし、玩具会社のデザイン部の社員・板倉(吉岡秀隆)が家を訪ねてから一変する。戦争の話題に明け暮れる夫とは違い、息子に優しく接してくれる繊細な板倉の性格に惹かれ、時子の心が揺らぎ始める。

 その様子を見守っていたタキは60年後に自叙伝を綴り、平成を生きる青年・健史(妻夫木聡)の手によって彼女の秘められていた想いが打ち明けられていく。二人の女が胸に抱いた、“恋愛事件”の真実とは——。