ストーリー
寝るのは別室。会話はいつも同じ。結婚31年目にして変化のない生活に焦りを感じていた妻のケイ(メリル・ストリープ)は、夫のアーノルド(トミー・リー・ジョーンズ)を連れて、夫婦の関係を修復するために一週間の滞在型カウンセリングに向かう。
そこで医師のバーナード(スティーヴ・カレル)の指導のもと、溜めていた感情を吐き出していくケイとアーノルド。
バーナードから課せられる“宿題”は、「今晩、抱き合ってみてください」といった二人にとってハードなものばかり。
果たして、熟年カップルは互いに向き合うことができるのか――。
アカデミー賞俳優二人が“口でする”に奮闘する
結婚31年目のはずなのに、ケイとアーノルドはまるで処女と童貞。
互いに見つめ合うことができないし、手も触れられない。抱き合ってみても、その触り方があまりにもぎこちない。かつて愛し合っていたことがウソのように、60代の夫婦はベッドの上では10代の少年少女。
そんな二人がどんどんオトナになっていく様がスリリングで、バーナード医師によって積年の欲求と願望が告白されていくカウンセリングは、ある種の羞恥プレイです。
「最後にセックスしたのは?」
「普段、オナニーはする?」
…やめてあげて! と言ってしまいたくなるくらい質問が容赦ない。
でも、カップルの赤裸々な性事情を覗き見しているようで、正直な話、ちょっとドキドキしてしまいます。
挙げ句の果てに、アーノルドの願望を叶えるため“宿題”として “口でする”ことを実践する二人。
アカデミー賞受賞のベテラン俳優二人に何させてんねん! とも思うけど、“口でする”ためにハウツー本を手に入れて、練習のためにバナナを買い込むケイに噴出しつつも、幸せな夫婦を目指すために一喜一憂するその健気さに心打たれてしまうのです。