ストーリー
青いシャツのアンヌ(イザベル・ユペール)は、成功した映画監督。
バカンスでやってきた韓国の海辺の街で、ライフガード(ユ・ジュンサン)に出会い、彼のテントで“アンヌの歌”をプレゼントされる。しかしその夜、アンヌの友人の映画監督ジョンスとライフガードが些細なことで口論になってしまう。
赤いワンピースのアンヌは、愛人の映画監督スーと海辺の町にやって来た。
アンヌはひょんなことからライフガードと出会い、海辺で会話を弾ませる。それにスーが激しく嫉妬をして、ケンカになってしまう。
緑のワンピースのアンヌは、夫と離婚したばかり。
傷心を癒そうとお寺で拝むが、気分は一向に晴れない。そんな中、ライフガードに出会い、ともに焼酎を飲みあう。やがて酔っ払った二人はテントに入り、そこで――。
まるで前世の記憶を辿るかのように、一人の男と何度も出会ってしまう
郵便配達は二度ベルを鳴らすが、アンヌは三度ライフガードに出会う。
と、かの名作『郵便配達は二度ベルを鳴らす』を文字ってみました。
その通り。アンヌは二度どころか三度、同じシチュエーションを繰り返すのです。
それぞれのアンヌには共通点は無い。だけど、周囲の登場人物は同じ設定で彼女を取り囲む。
そして決定的に同じなのは、彼女がライフガードに出会うこと。
まるで生まれ変わったように次第に彼と距離を縮めていく。だから物語が淡々としていない。
どんどんアンヌの気持ちが盛り上がり、ライフガードは彼女を受け入れていくようになる。
それはまるで前世の記憶を辿るかのようで、どんな人間に生まれ変わっても結局出会うのはこの男。
そんなどうしようもなく避けられない事実が、他の恋愛映画にはない男女の出会いの味わい深さを与えてくれるのです。