最愛の妻との約束を果たすために『幸せへのキセキ』

 実在する英国人ジャーナリスト、ベンジャミン・ミーの回顧録をもとに、最愛の妻を亡くした男が動物園を立て直すことで悲しみを乗り越えていく姿を描いたヒューマンドラマです。
妻を忘れず、深く愛し続ける主人公を演じるのはハリウッドきっての演技派マット・ディモン。
さらに『それでも恋するバルセロナ』『アイアンマン2』など様々な役を演じるスカーレット・ヨハンソン、今最も旬の若手女優『SUPER8/スーパーエイト』のエル・ファニングらが脇を固め、『ザ・エージェント』『バニラ・スカイ』のキャメロン・クロウ監督が、観る者すべての希望となる映画を作り上げました。

 半年前に最愛の妻を亡くしたベンジャミン(マット・ディモン)は、14歳の息子と7歳になる娘とともにその悲しみから立ち直れないでいた。
仕事を辞めてしまい、息子は学校で問題を起こして退学処分になってしまう。そんな中、ベンジャミンは心機一転、人生の再スタートを望んで郊外に家を購入。その家はなんと、閉鎖中の動物園付きだった。
動物園の再オープンに取り組むベンジャミンだが、慣れない事業にトラブルが続出。
莫大な修理費や薬代に資金も底をつく。それでもあらゆる困難を乗り越えながら、飼育員たちや動物園を心待ちにしている地域住民、思いもよらぬ亡き妻からのプレゼントに支えられ、妻とのある約束を果たそうとする――。

ベンジャミンとその子どもたちが深い悲しみから立ち直ろうとする姿、そして感動のラストシーンは、監督が「この映画を作りたかったのは、喜びの種を蒔きたいと思ったからだ」と語る通り、心に温かでピュアな感動を与えてくれるでしょう。
この映画には様々な理想の愛の形がつまっています。夫婦愛や家族愛、そして友情も。人間の欲が底をつきることはないですが、一番大切なのは身近な人と築いていく愛のある関係なのではないかと当たり前のことに気付くきっかけになるかもしれません。
愛のある映画を愛している人と見る。たまには、ありふれたように見えるシンプルな幸せに身をゆだねてみるのもオススメですよ。

6月8日(金)よりTOHOシネマズ スカラ座ほかにてロードショー

監督:キャメロン・クロウ
キャスト:マット・デイモン、スカーレット・ヨハンソン、トーマス・ヘイデン・チャーチ、パトリック・フュジット、エル・ファニング、ジョン・マイケル・ヒギンズ
配給:20世紀フォックス映画
原題:We Bought a Zoo/2012年/アメリカ映画/124分
URL:https://www.shiawase-kiseki.jp

Text/Michihiro Takeuchi