20年前、あなたは何をしていましたか?
「鬼ごっこを極めた」「テストで100点取った」「初恋の人ができた」など、黒歴史・白歴史含めて色んな思い出があると思います。
でも、「宇宙人と戦っていた」はない。
「あらあら、こんなに大きくなって〜」10数年ぶりに親戚や祖父母の家を訪ねると、こんな感じで声をかけられたことは誰にだってあると思う。
でも、ロシア全土がすっぽり覆い尽くされるサイズではない。しかも、以前より4倍の大きさになっている。
20年前に世界的にメガヒットを飛ばした前作『インデペンデンス・デイ』に引き続き、ローランド・エメリッヒ監督がジェフ・ゴールドブラムとビル・プルマンと再び手を組む。リアム・ヘムズワースら新キャストを織り交ぜ、最新のVFXを味方につけて全長4,800km(!)の宇宙船と大接戦を巻き起こす。
やっぱり奴らは観光名所を狙ってくる
とにかくデカい。まるで一つの大陸並の宇宙船の登場に思わず笑ってしまう。勝ち目がない。助かる見込みはない。それでも希望を捨てず、人類は史上最大の侵略者と戦っていく。
旧キャストと新キャストの二世帯住宅は住み心地よく、前作を知る世代も知らない世代も両方が温度差なく楽しめる。前作で自ら戦闘機に乗ったホイットモア大統領もいれば、恋に落ちる若き戦闘機パイロット・ジェイクとパトリシアもいる。ディザスター映画でありながら、きちんと新たな世代へ受け継がれていく物語として成立している。世界各所であらゆる人物が侵略行為と向き合い、それぞれ距離が離れていながらも気持ちを一つにしていく群像劇でもある。
エイリアンはやたらと観光名所ばかりを狙ってくる。ロンドンのタワーブリッジ、シンガポールのマリナ・ベイサンズ、マレーシアのペトロナス・ツインタワーなどがピンポイントで破壊される。宇宙人はJTBか何かで予習でもしたのか。
こうしたベタな“ディザスター映画あるある”も魅力の一つ。重力を操る宇宙船があらゆる建造物を「持ち上げて、落とす」。それをくぐり抜けるジェイクらの戦闘機。劇場内に破片が飛び散るかのごとく、まるでアトラクションのような迫力がある。壮大なスケールでありながら、あたかもそこに居るかのような臨場感が描かれている。
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