恋愛も結婚も「ギブ&ギブ」の精神で

人間は、良くも悪くも変化する生き物です。
いい方向に変わる人もいれば、悪い方向に変わる人もいて、しかもそれは捉える人によってもまた違います。
優しかった彼が冷たい彼に変わってしまったとあなたは感じていますが、もしかしたら彼自身は自分が冷たくなったわけではなくて落ち着いただけだと思っているかもしれません。
そしてあなたも、きっと昔とは変わっているはずです。
どちらの変わり方が悪い、という話ではなく、変わったベクトルや、その着地点があなたと彼とでは異なっていたのではないでしょうか。

付き合う前や付き合いたての頃は、多少無理してでも頑張って自分を演出してしまうことはあります。
誰だって恋の始まりは相手に好かれたいと努力しますし、浮かれているお陰でエネルギーも次から次へと湧いてきますよね。
しかし嫌々やっていたというわけでなくとも、付き合っている関係が長くなるにつれて日常に溶け込んでいけるように、無理せずにいられる状態を当たり前に求めます。
そうやってお互いが無理なくいられる妥協点を探さなきゃいけないのに、あなたと彼はそれができなかったように思います。

相談文を読んでいて、たしかに彼は少々思いやりに欠ける部分があるように感じました。
一緒にいるのにスマホばっか見てんじゃなねぇよ!!!! お前はスマホと付き合ってるんか??!? とわたしだったら言ってしまうほどに。
ただ、彼ばかりが悪いと断罪することはできません。
「彼が真剣に悩んでいるときに、わたしだったら眠いから寝させてなんて言えない」という言葉から、あなたも優しい人なんだと思います。

でも、その裏に隠れている「わたしはこれだけのことをしてあげるんだから、彼もわたしに対して同じようにしてほしい」というのは、ただのワガママです。
恋愛も結婚も、ギブ&テイクではなく、ギブ&ギブの精神でやらないといけません。
自分の行動の理由が「だって相手のことが好きだから」「自分がやりたいからやっているだけ」という前提でないと、相手に見返りを求めてイライラしたり、何もしてくれない相手に虚しさを感じてしまいますし、相手だってそれを負担だと思ってしんどくなってしまいますよ。
それだけは、頭に入れておいてください。

「相手の気持ちは変えようがない」と仰っているので、あなたもすでにわかっていると思いますが、今の彼の気持ちを変える術はありません。
そんな彼に対して「昔はああしてくれたのに」「こんなときは優しくしてくれたのに」と、過去の1番よかったときを引き合いに出してしまう気持ちはわからなくもないですが、誰しも変化していく中でそれだけにこだわってばかりでは、あなた自身が悲しいままです。

たしかに、昔は優しくて面白くて思いやりに溢れた素敵な彼で、一緒にいて楽しくて幸せだったのでしょう。
でも、ベクトルの違う方向に変わってしまった相手、今となっては相性が悪くなってしまった相手、歩み寄れないところに行ってしまった相手に、期待を捨てきれずヤキモキしながら暮らすばかりでは、事態は好転しないどころか、どんどん良くない坂を下っていくだけ。
一旦彼との今の関係を見つめ直し、そして周りを見渡してみてください。
きっと、あなたと同じベクトルで変化してくれる人、相性がいいまま過ごせる人、歩み寄れる場所にいてくれる人はいます。

今のあなたに必要なのは、過去にしがみつかずに、前を向いて一歩踏み出すことではないでしょうか。

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この連載では引き続き読者の皆さまからの恋愛相談を募集します。
最後の一歩が踏み出せない方の背中をドーン!と押すため、今にも崖から落ちそうになっている人を腕一本で引き上げるため、誰かに厳しく叱られたい方の左頬をフルスイングで打つため、わたくしポジティブゴリラは日々ゴリラらしく腕力を鍛えてお待ちしております。

Text/ものすごい愛
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