彼にはもう表現する愛情がない

おそらく「彼が愛情表現をしてくれない」という部分を相談内容の1番重要なテーマとしているのでしょうが、正直わたしには「彼には表現する愛情がない」ように感じます。
きっと、幸せだった頃を思い出したり、かつては優しかった彼のことを忘れられず、どうしても認めたくない気持ちもあるのでしょうが、本当のところあなた自身も「彼はもう自分のことを好きじゃなくなっている」という事実に気づいているのではないでしょうか。

「わたしのこと好き?」という質問って、ラブラブなときだととっても楽しいコミュニケーションのひとつになるんですよね。
「ねぇねぇ、わたしのこと好き?」「だーいすきだよ!」「え~どれくらい~?」「こーーーーーーーんくらい!」と両手を思い切り広げて抱きしめてくれ、2人して「えへへ」「うふふ」とイチャイチャがスタートするのでしょう。
しかし、厳しいことを言うようですが、彼に「場合による」と一刀両断されてしまった時点で、お互いの心の距離の遠さを露呈しています。
心が向き合っていない相手だと、「わたしのこと好き?」なんて聞かれた方は鬱陶しく感じてしまうし、聞いた方も虚しくなるだけです。

ものすごい愛さんだったらどうしますか? と聞かれているので、わたしだったらという前提で答えますが、わたしだったらその彼とは別れます。
わたしはわたしのことを好きな人が好きだから、わたしのことを好きじゃなくなった人のことはもう好きじゃないのです。
彼の優しいところが好きで付き合った、でももう優しくなくなってしまったのであれば、付き合っている意味を見出せませんしね。

まあ、そんなすぐ「もうわたしのこと好きじゃないんだ! じゃあわたしも今この瞬間から好きじゃなくなった! よし! 別れよう!」とすっぱり切り替えることは難しいですが、自分は彼の方を真正面から見ているのに、肝心の彼はそっぽを向いて顔を逸らしているのですから、向き合えるわけも、話し合えるわけも、歩み寄れるわけもなく、ただ虚しいまま時間だけが過ぎていくのはもったいないなぁと思います。

相談文の中で、あなたはしっかりと自分の気持ちや要望を彼に伝えているようですし、コミュニケーションも取ろうとしていて、それはとても偉いと思います。
わたしはこの連載で、言葉を怠るべきではない、コミュニケーションは大事、と常々言っていますが、それはそうすべき大切な相手で、お互いが同じ方向を向いているからこそ言っているのです。
あなたと彼の場合、お互いが全然別の方向を向いてしまっているのですから、言葉とコミュニケーションの努力をしたところで改善されるものではないのかなぁと、勝手ながら感じました。