結婚の決意は、積み重ねてきたもの
わたしがあなたの立場だったら、彼に「は??! 今さらなんなん??! 決め手ってなに??!? お前は4年間ずーーーっと目つぶって耳塞いで過ごしてきたんか???!?」とブチギレていたと思います。
いや……もっと早く言ってよ……この期に及んでなぜそんなことを……と肩を落とすしかないですよね。
そもそも、一般的に言われている「結婚の決め手」ってなんなのでしょうか。
山でのハイキングデート中に、突然熊に襲われて命の危機を感じた瞬間、彼が身を呈して自分のことを守ってくれる姿に「危険を顧みず大きな熊に立ち向かってくれるなんて……とっても頼りになる人なのね!」と感動したら、結婚の決め手になるの?
高熱に魘されて「孤独に死んでしまうんじゃないか……」とめそめそ泣いているときに、彼女が合鍵でこっそり家に来てくれ、三日三晩寝ずに献身的な看病をしてくれて「おれのためにこんなに尽くしてくれて……なんて思いやり溢れた女性なんだ……」と感動したら、結婚の決め手になるの?
そーーーんな生死と隣り合わせのドラマチックな妄想が現実でも起こるなんて、ゼロではないにせよ、実際はほとんどないですよね。
あなたが言うように、結婚は一緒に過ごした時間の積み重ねで少しずつ決意が固まっていくものだと思います。
わたしは結婚していますが、周りからの人たちから「結婚までトントン拍子だったよね」とよく言われますし、たしかにそうだったな、とは自分でも思います。
双方の両親に反対されたわけでもないし、友達からも祝福されましたし、入籍直前になって戸籍を取り寄せたときに「え?!あなたバツイチで子供いたの?!聞いてないよ!」なんて修羅場もありませんでしたしね。
でも、夫との信頼関係は最初から完璧にできあがっていたわけではありませんし、そのために時間をかけてきちんと向き合ってきた、怠らずに頑張ったわたしが存在したのは事実です。
あなたと同じように、夫とは遠距離恋愛もしていたので、その時間は寂しくて寂しくて永遠だと思うほど長く感じながらも、未来のために歯を食いしばって耐えたわたしも過去にはいました(まあ……貯金はゼロの状態で結婚しちゃいましたけどね……)。
4年間、あなたにとってはとても長い時間だったと思います。
遠距離恋愛で不安も伴う中、彼の「結婚を前提に」という言葉を信じて信頼関係を築き、自分の周りの人たちと彼の関係を調整するのに時間を割くだけでなく気配りもして、将来を見据えて堅実に貯金をして……と、結婚というひとつの目標に向かって、すごく丁寧に、そして努力を怠らず、過ごされたのでしょう。その中で、少しずつ決意を固めていったのですから、「自分のやり方が押し付けがましかったのかな」なんて落ち込む必要はありませんよ。