自分ひとり“だけ”で解決しようとしなくていい

丁寧に相談文を書いてくださったところから読み取れる限り、あなたはとても誠実で、真面目な性格な人なんだろうな、と感じました。
誠実なのも、真面目なのも、結婚生活のために頑張ろうとする姿勢も、素晴らしいことですし心から尊敬します。
しかし、その性格ゆえに「わたしの気持ちの問題なんだからなんとかしなくちゃ…!」「こんな結婚生活はだめだよね…」と自分ひとりで解決しようとし続けるのはとても苦しいのではないでしょうか。
センシティブな悩みだけになんとかしなくちゃいけないとプレッシャーを感じる気持ちもわかりますが、とりあえず自分ひとり“だけ”でなんとか打破しようという強迫観念は捨てください。

それでは、あなたなりに考えた「セックスが苦痛な理由」を順番に整理していきましょう。
まずは見た目について。
見た目なんて、そりゃあ10年も一緒にいたら変わりますよね。
人間は必ず老いる生き物ですから、年齢を重ねるにつれて誰だって肌のハリはなくなっていきますし、おっぱいは垂れて広がりますし、お腹周りに取れないお肉がついていきます。
自分に厳しく、日頃から節制して体型を保っている人もいますが、結婚して得られた安心感や不特定多数の人から愛されようとしなくてもいいという安堵で気が緩んでしまう人も多いのではないでしょうか。
いくら見た目で判断していない、決して面食いというわけではない、彼が痩せていてかっこいいから付き合って結婚したんじゃない、とはいえ、あなたの中の許容範囲はありますもんね。
もちろん彼が太ってしまって若い頃と見た目が変わってしまったこと自体がイヤかもしれませんが、そこから彼のだらしない生活を連想してしまったり、あなたがイヤだと伝えているのに改善しようとしない彼の態度がイライラやモヤモヤを誘発しているのではないでしょうか。

次に、セックスまでのムード作りや触り方について。
「いきなり触られるのが苦痛」とあなたは伝えているようですが、そもそも旦那さんのムード作りや触り方について、もしかしたら誤解や認識不足があるかもしれません。
たとえば、性の情報やテクニックを得られるものにAVがあります。
それ自体はおもしろく、素晴らしい文化で、エンターテイメントとして優れていますが、生身の女性とのセックスやそれに至るまでのアプローチを勘違いして受け取っている人がいるのも事実だと思います。
同じ嗜好を持った者同士で楽しむのならいいのかもしれませんが、そうではない相手との行為でスタンダードにしてしまうのはちょっと違いますよね。
それに加えて、長い付き合いの中で生じた慣れと相まって、あなたの「イヤ」の本質である、「どうしてほしいか」が旦那さんに伝わっていないのかもしれません。