私が好きな歌で加藤登紀子さんが作った『難破船』という曲があります。中森明菜さんに提供した曲で加藤登紀子さんもセルフカバーしていますが、私は断然加藤登紀子さんのバージョンが好きです。

当時の加藤登紀子さんは刈り上げで、唄っている姿も声の調子も毅然としていて、こういう風に言っていいのかわからないのですが「超絶男らしい」のです。その男らしいお登紀さん（加藤登紀子さんの愛称）に

と諭されて深く頷いてしまった私は、その恋愛に芽が無いと思ったら、次の恋愛に進むのを選ぶタイプです。それができなくて5年ほど引きずったこともありましたが、やること（ワンナイトや軽いデートくらい）はやっていました。

一途で真面目そうなあなたにはこういうことはできなさそうなので、だったら別れて次の恋に進んだ方が良いと思います。

あなたも薄々オカシイなと思っているはずです。あなたの相談文に
「私一人だけが悪者扱いされている節があり、解せないところもありますが、」
と彼女について書いてあるところがあります。

その通り、あなたは彼女に都合よく使われているのです。それでも好きだと書いてあるので、それならば仕方ないと思うのですが、私はそれも疑わしいと思っています。

あなたは今までに彼女に捧げた歳月や努力が水泡に帰すのが惜しくて彼女に執着しているのではありませんか？　あなたの文章からは彼女の素敵さが伝わってきませんでした。

自分はとにかく好きだから、彼女となんとかなりたいけど、上手くいかない。あなたは淡々と彼女と自分の歴史を書いていて、だけどそこから彼女への愛情はあまり感じませんでした。彼女の笑顔を見るとどうでもよくなる、とか、会いたい、セックスしたいというそういう原始的な欲求も書いてありませんでした。

そういうところから考えても、あなたは実は思い入れがあるのではなく、今までの自分を正当化するために、彼女と結ばれたいというように見えてしまいました。あなたが現在陥っているのは恋ではなく、自己保身ではないですか？

勝手なことを言ってしまってすみません。相談文からの推測なので、私はこういう結論になってしまいましたが、あなたも自己保身で好きを続けているのではないかと確認し、それでもどうしても彼女が好きだったら、ストーカーにならない程度に彼女にアプローチを続けてください。

次に相談してくださる時には彼女の魅力やなぜ愛したいのかを、もっと沢山伝えてくれると嬉しいです。

TEXT／肉乃小路ニクヨ