後輩に指導ができない…上司に大事なのは「演技力」です

後輩の指導を悩む女性 Andrew Neel

後輩への指導、どうすればいい?

今まで上下関係のある部活に入ったことも、しっかりと指導体制の整った会社にいたこともないため、未だに後輩に仕事を説明したり振ったりするのがすごく苦手です。
頼んでも結局自分が思っていたようなのと全然違うものがあがってきて、全部自分でなおして…の繰り返し。もちろん根気強く指導すればいいとは思うのですが、「結局自分がやった方が早い」と思ってしまい、お願いするのも面倒になってしまいました。あと、「仕事を押し付けている」という罪悪感のようなものも感じてしまうのが嫌です。そのめんどくささなどを乗り越えてみんな部下や後輩を育てているのだと思いますし、そうした方が結果的に自分が楽になるのもわかっています。自分も先輩にダメ出しされて成長してきたというのもわかっています。ですが、その面倒さに耐えきれずに自分を犠牲にしがちです。
ニクヨさんはどのように後輩や部下を指導してきましたか?ご教示いただければ幸いです。(27歳・女性)

仕事の伝授のプロセス(私の場合)

後輩を育てる。これは私も今でも難しいと思うことです。私が会社員時代にやっていたのは月並みですが

①まず自分でやって見せる。
②やり方を伝授する。
③実際にやってもらう。
④フィードバックする。

の4つの過程でした。
私も特に指導体制がしっかりしたところで働いていたわけではないので自己流かもしれませんが、やってみてしっくり来たのが上記のプロセスでした。

特に神経を使ったのが④です。できるだけ褒めました。 失敗を指摘しなければならない時もそこをいきなり指摘するのではなく、凄く残念で意外という顔をしながら
「優秀なあなたがどうしてこういう失敗をしちゃったのかね?」
と言って、相手に反省点を自発的に考えてもらいました。

最近は厳しく叱責するとパワハラになる時代です。私は外資系の会社だったので、ハラスメントに対する意識は厳しく、だからこそ厳しい叱責ではなく、優秀なあなたがどうしたんだろうね? という態度を終始とるようにしました。

大事なのはあなたを優秀だと思っていると伝えることです。自分は優秀なんだ、認めてもらえているんだと思うと、そこに恥じないように普通の人は頑張ります。

先輩、上司は演技力も必要

今だからハッキリいいますが、私も当初は後輩に対して「本当にバカだな」と思う時もありましたが、そこは演技力です。実際の評価点は厳しくてかまいませんがフィードバックは自発的に自分で改善点を見つけなければ意味がありません。

良い大人が自分で薄々気付いている改善点を他人に指摘されて、はあそうですか、とはなかなかいかないものです。薄々気付いている問題点を自分自身でハッキリさせて、それを改善するという方が人に言われてやるよりもぐんと頑張ってくれると私は思って実践していました。

もし参考になると思ったら真似してみてください。

自分のために仕事の内容は明確に

1点あなたの相談文で気になったのが
「未だに後輩に仕事を説明したり振ったりするのがすごく苦手です。頼んでも結局自分が思っていたようなのと全然違うものがあがってきて全部自分でなおして…の繰り返し。」
の部分です。

仕事を頼んで自分が思ったものと全然違うものがあがってくるというのは、あなたの仕事の依頼の仕方に問題があります。

あなたは自分の仕事が会社の中でどういう位置づけで、どういう目的で、上司からはどのようなことを期待されていて、そのためにどのような手順を踏んでやっているかをしっかり整理した方が良いと思います。

あなたの中でぼんやりと理解しているものを言語化して、いつでも説明できる状態にしておくということは、あなたが上司になった時に必ず役立つ技術です。
また、日々の業務の無駄や改善点がわかるようになり、自分の業務の効率化にも役立ちます。今一度振り返って説明できるようにしましょう。

仕事はゲーム

あなたが部活に入ってこなかったことを気にしているのはとても鋭い視点だと思います。あなたが考えているとおり、仕事はチームゲームなのです。だから体育会でチームゲームをやっていた人たちは経験値が高いので活躍しやすいことが多いのです。私も部活をやっていなかったので、当初そのことに戸惑いました。でも今更部活をやるわけにもいきませんよね。

私の場合は幸いにも野球マンガの「キャプテン」とかが好きで、それが役に立ちました。 なので、マンガやドラマでもいわゆる体育会ものを見て、そこからエッセンスを学んで、実社会で検証して仕事に活かすというのも大いにありだと思います。

また実際にスポーツを観戦するだけでも結構学べます。私も小さい頃からテレビっ子でスポーツ観戦が好きで、新聞でスポーツ選手のバックステージ的な背景記事などもじっくり読んで育ったので、そのことも仕事で役に立ったように思います。

長くなってしまいましたが、仕事はあなたを素敵な人にさせる舞台です。楽しんで取り組んでみてください。

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