煙に巻かれる本当のこと

 可愛くて明るい子がモテると仮定しましょう。そこには女3男3の男女6人グループがいます。

 A子は容姿がすごく整っていて、B子とC子は普通に可愛い。そして3人とも明るく楽しい女の子です。この場合、仮定の条件に最も適しているのはA子ですよね。ただし、ここに細かな性格を付け足します。B子とC子は勝気で、A子は弱気なのです。
そうなると、恐らくこの男女グループの中でA子はいじられ役になっていき、B子とC子はその間に「A子に比べてイケてる女の子」の役についていきます。
本人たちも気づかないうちに決定されるこの配役の結果、男の子たちは思うのではないでしょうか。
「A子は見た目はいいけど、あいつはな〜んかなしかも」

 社会はマジ恐ろしいもので、本来の、本当の価値基準なんてすぐにどこかに飛ばされてしまいます。
「本当に可愛い」ことよりも「あいつのことはちょっと雑に扱っても良い」という集団の空気の方が勝ってしまうのです。

 A子が女の子達にめちゃめちゃいじられている様子を見て、男の子達が「なんか、A子可愛いけどA子を好きになるってのはちょっとないな。なんかそれはやめておきたいな。」と思ってしまうのも仕方なかったりするのです。
もちろんこれは男女を逆にしても全く同じことが言えて、要するに、私たちなんてそんなもんなんだな。

 だからこそ、「本当の目で見て、自分の本当の気持ちが何かをきちんと理解すること」はとっても大切で、できれば、周りの空気なんかに流されずに自分が良いと思ったことを良いと思いたい。
今私が抱えている気持ちは、社会の影響を受けて思わされていることじゃなくて、本当に私の中から一人でに立ち上がってきたものだと信じたい。誰だってそうやって生きていきたい。

 でも、それが簡単じゃないことは大人になるまでの間で痛いほど経験してきましたよね。あ〜情けない。