面倒だが楽?期待値の低い恋
当時は「どうして面倒なことを……」と思っていたのだけれど、自分の恋愛がうまく行かずに悩んでいる時、ふと考えたことがある。「不倫って、面倒だけど楽なんじゃないか?」
わたしは人間関係は、ほとんど期待値の調整だと思っている。期待を裏切られれば悲しいし傷つく。傷つかない方法は簡単で、誰にも期待をしないことだ。
たとえば、優しいが気の利かない彼氏がいたとして、期待が高ければ「どうして汲み取ってくれないんだろう。言わなくてもわかってほしい」と苛立つだろうし、期待がなければ「言えばやってくれるから優しいな〜」で終わる。どちらが楽かは明らかだ。
ついつい相手に期待しすぎて、振り回されがちなのが恋愛だけれど、不倫は相手への期待値を限りなく低く設定できる恋なのかもしれない。クリスマスに会えないのも、連絡が途絶えがちなのも仕方がない。不倫だから、以上。他の理由は考えなくて良い。
もしかしたら、彼女たちは皆、本気で離婚を待っているのではないのかもしれない。不倫を理由に期待値の低い日常、ぬるま湯につかっていたい気持ちもどこかにあるのではないかーーとまで考えたのだけど、これは流石にわたしがひねくれすぎなのかもしれない。
ちなみにMちゃんは、不倫相手と別れてほどなく独身の彼氏ができた。Mちゃんが、彼氏と過ごすクリスマスの予定を当然のように語る姿に、最近すごくホッとした。
Text/白井瑶
記事初出:2018.11.29
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