嫌悪しながら手のひらで…
手のひらで転がす系の考えが悪いとは思わない。上手くいく場合も多いだろうし、お互い気分よくいられるなら、それはそれでいいのかもしれない。たぶんわたしが極端なだけなのだ。
わたしは男性に好かれたいし、そのためなら下手にも出るけど、結局男性が嫌いだった。そういうわたしが手にしてしまった「男を手のひらで転がす思考」は、男性嫌悪と結びつき、妙な形に歪んでしまった。
当たり前だが、正面からぶつかると傷つく。けれど自分の中の見下しに気づいてしまった以上、せめて大切な人に対しては、誠実でいたいと思う。
手のひらで転がすのではなく、めんどくさくても向き合っていかないとな……と、彼氏が脱ぎ捨てたシャツを見ながら思った。
Text/白井瑶
初出:2018.08.30
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