嫁ストップじゃなく嫁プッシュ!夫の脱サラを止める前にできること/トイアンナ

オフィスでパソコンに向かう女性と男性の画像

 こんにちは、トイアンナです。いきなりですが「嫁ストップ」として男性の脱サラや起業を止めたくなる気持ち、わからないでもないです。知人の脱サラ話を聞いてると「ちょっとそれ、計画性なさすぎなんじゃない?」って焦りを覚えるものが少なくないもので……。

実際、嫁ストップ以前に「友ストップ」をかけた脱サラ例はこちら。

・カフェをやりたい。代官山とかオシャレな場所で。こだわりのコーヒーを仕入れて提供したい。自分はコーヒーを淹れる習慣はないし豆を仕入れるツテもない。100%借金で経営スタート予定。返済に必要な売上を計算してもいない。

・ブロガーになりたい。日記を書くだけで広告主からお金が入って月に30万儲かると聞いた。今までにまとまった文章を書いた経験はない。特に書きたいことはないが、ブログ術を調べて書きたい。

・起業したい。カッコイイ会社で世界を変えてIPOしたい。どんな事業をやるか決めてない。とりあえずベンチャーといえばITだからITで何かする。アプリでも作ったら売れるんじゃね?

 このように「正気か!?」と言える脱サラプランを熱く語る人間は少なくありません。で、詳しく話を聞くと「要約:仕事疲れたもうだめ。転職する自信ない。脱サラしたい」だったりする。こういう方に必要なのは休息であって世界を革命する力じゃありません。そりゃ、嫁も止めるわ案件です。

 子供もいて、住宅ローンも組んでいたら何であれ「ストップ」したくなる気持ちは分かります。女性は何より、まず自分自身へストップをかけているんじゃないんでしょうか。子供を産みたいから出世コースに乗るのは諦めて専門職を目指そう、年103万円以上働いたら扶養から外れちゃうし仕事量をセーブしよう、転勤がある仕事じゃ結婚できなくなるから内定を辞退しよう……私たちは人生でいくつ、チャレンジする前に諦めてきたことでしょう。

 私が人生で一番後悔していることは、東大を受験しなかったこと。当時の成績を見るとC判定、いやD判定かもというくらい落ちる可能性の高かった東大。とはいえチャレンジはできたのに受験票すら出さなかった理由は「東大コンプレックスを持った彼氏と付き合っていた」からです。万が一合格してしまったら、彼に振られるんじゃないかと思って受けなかった。それを今後悔しています。

 やって失敗したことは乗り越えられたけれど、やらなかったことは燻り続ける。だからたとえ失敗する確率が高くても管理職にチャレンジしたほうがいいし、103時間を超えても働いてみたほうがいい。だって「嫁ストップ」をしたくなる背景にはきっと、私こそ人生を「ストップ」してきたのに、夫だけ好き勝手に生きるなんて! っていう憤りが混ざっているはずだから。