承認欲求って、満たさなくていいんだ……。
こんにちは、トイアンナです。前回の連載では承認欲求をうまく「散らす」ことでバランスをとる方法をお伝えしてまいりました。しかしこの世には承認欲求を抑えることなく、社会と折り合いをつけてしまう人たちがいます。
それは承認欲求に見合うレベルの、実力を身につけてしまう人です。
ある知人は、自分では全くコントロールできない承認欲求をもて余していました。幼少期に両親が離婚して祖父母に育てられ「たまに会えるお母さんに褒められること」がアイデンティティだったという彼女。普通ならそこで自分の限界と葛藤するものですが、たゆまぬ努力でトップクラスの学校へ進学します。
承認欲求を満たすためには、勉強だけでは不十分でした。部活動でも大活躍してエースに。部活と勉強を両立して一流大学へ進学。
それだけでは飽きたらず、外見を磨いて某ミスコンへ出場。あまりのキラキラ履歴にアナウンサーになることも考えましたが、トップを狙うなら「世間の役に立つべし」と、今も公的機関で活躍しています。
上澄みの世界は「承認欲求の地獄」
政府機関に就職した当時の彼女は「頑張らなければ、お母さんに褒めてもらえない」と頑張る素直な女性でした。しかしそこで彼女は地獄を見ます。
トップクラスの人材が集まる職場には「満たされない承認欲求に苦しむアラフォー」がうごめいていたのです。
「誰よりも早く成果を出して、成果を出したらもっと上を目指す。上昇志向があるって言えなくもないけど、そのために他人を虐めるの。フォントサイズが一箇所違うからって、部下の書類を全部やりなおさせたり、残業しなきゃ終わらない業務なのに、残業を許可しなかったり。
もう、ほんとパワハラまみれ。そうするとイエスマン!って感じの部下だけ残るでしょ。それで自分を何とか保つのね。」
しかし地獄を見たことで、彼女の承認欲求は霧となって消えました。「こんなに仕事を頑張って、将来なるのがパワハラおばさんって最低だよね」と思えたのだとか。
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