好き嫌いより、どう生きていくかという恋愛

そんな私は、田舎男に合わない箇所だらけだ。
というか、田舎に合わない箇所だらけだ。

まず、陰口とか吐くほど嫌いなので、陰口言う文化が根付いていたら、もう喧嘩をしまくる気がするし、噂話とか死ぬほどくだらないと思うし、ポケーっとテレビを見て時間が経つとかホント無理だし、週刊誌の芸能ネタとか読んでたら引いちゃうし、なんだろ他にも言い出したらキリがないけど、「世界狭いな」と思ってしまうことに頻発する気がする。

劇場や美術館に行きたいので、しょっちゅう都会に出てくるだろうし、数か月どっかの国に行ってくるとかもする気がする。
田舎に行ったからって田舎に合わせる努力は、そこまできっとしない。
「自分で価値があると思える」程度は合わせるけど、それ以上の努力はしない。

だからきっと、周りの人間も私に対してストレスを感じるだろう。

でも、なんだかアリな気がしている。
田舎は、そして田舎男は、私の欠落している部分を埋めてくれる気がする。

私に無いものを田舎男は持っている気がするし、彼に無いものを私はきっと持っている。
「自分の県から出たことないなんて、なんかつまらないなあ」なんて思ってしまう私は、一箇所の土地に身を置き続ける尊さを知らない。彼はそれを教えてくれるだろう。
彼の日々の生活に「好奇心がなさ過ぎる」と感じてしまう私は、反対に、好奇心が高すぎるのだろう。好奇心のみで人生を決めていく私の人生を、どこかたしなめてくれるかもしれない。

何より、ゆったりと息を吸って息を吐く、そんなことを教えてくれるかもしれない。
うまい喋りや豊かな表情だけがコミュニケーションじゃないよって、教えてくれるかもしれない。
そして私は彼に、芸術がいつでもそばにある生活がどんなものかを垣間見せることができるだろうし、隣近所を気にする必要ないだろうという思い切りの良さも体現できる。

自分と似た人間と一緒に居るのはとても楽しいけど、自分の欠けた部分を持っている人と一緒にいると、バランスの取れた人間になってくる気がする。

もう31歳、これから性格が大きく変わることなんてほぼ無いだろうし、自分の欠落部分を埋める気ももうそんなに無い。
というよりも、この歳の欠落部分なんて、自然にできたものではなく自分で選択して欠落させたようなものだ。
好奇心にばかり駆られた生活も、移動だらけの毎日も、自分で好きで選んだものだ。
だから今更自分で埋める気も無い。ずっと欠落したままだろう。

ただ、自分でもう欠落を埋めるつもりはないけれど、一緒に居る人に埋めてもらうのっていいなって思う。

そんな恋愛もアリだなあ、なんて思う。
好きか嫌いかというよりも、どう生きていこうかなっていう恋愛。

そんなことを考えるきっかけになったのは、田舎で会ったガチ田舎男。
自分と全く違う価値観で生きる人に会うと、こんなにも刺激受けて考えさせられるんだなぁ。

Text/舘そらみ

初出:2016.05.11

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