愛は光回線と共に
FaceMePLS
不倫の現場がネットになったのは、今に始まった話ではありません。メールでの密かなやり取りに始まる90年代から、現在はLINEにカカオトーク。オンラインゲーム上でプレーヤー同士の結婚が話題になったこともあるでしょう。
「Twitterで知り合ったんです」
と、ゆとり世代の不倫女子が話し始めたときは、まあそんなこともあるよね。と思っていました。Twitterから知り合って結婚なんて話も、聞かない話ではありません。むしろ外見や肩書きに惑わされず、性格から見定められるならネット恋愛もありかな、と。
しかし、話を聞き始めて20分、私は一抹の不安を覚えていました。彼女の話題に一切「現実世界」が絡んでこなかったからです。
「もし、よろしければいつもどこでデートしているか、教えていただけますか?」
現実での絡みについて知りたくて質問したところ、彼女は”やっぱりそこ聞いちゃいますよね”と前置きした上で、こう答えました。
「実は、彼に会ったことがないんです」
不倫相手に会う時代は終わった!?
「は?」
くらっ、と倒れそうになりました。もうなんやねんゆとり世代。前々回からファミレスでデートするだの、不倫なのにセックスレスだの、オバちゃんのメンタル削りに来てんのか?
いやだわこれだから若い子は。草食はおろかバーチャルなリアリティでプラトニックなんですってよ。
「え、それ不倫なんですか?」(って聞いちゃうでしょ?)
「一応、不倫にはなるかなって思います」
「そ、その心は……?」
「毎日イチャイチャしてますし、あっちの奥さんに隠れてプレゼント贈ったりしてますし」
「何を贈られたんですか?」
「LINEスタンプ」
衛生兵!プレゼントにすら現実世界が足りてません!
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