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  • 2017.05.16

下世話だけど、目が離せない!お父さん以外も楽しいワイドショー講座

「つなぎ融資の女王」の逮捕が記憶に新しいですが、彼女の事件においてはその罪の内容よりもむしろ彼女自身に世間の目がフォーカスされました。ではなぜ人は規格外ともいえるような人物を眺めるためにワイドショーを見るのでしょう?そこには好奇心だけではない理由がありました。

肉乃小路ニクヨのニューレディー入門

 私はゴシップガールではありませんが、ワイドショーは好きでよく見ます。
でも大抵の話題には慣れてしまって、テレビの音だけ聞いて他のことをしていますが、
そんな私でも目を奪われる事件が今年の春にありました。

 それは「つなぎ融資の女王」と言われた容疑者の逮捕劇でした。
容疑者が62歳の女性で、年齢を24歳もサバを読んで38歳で通していたこと、
その服装が30代よりも若いような女性のするファッションだったこと、
インタビューで注目されるのが嬉しそうな様子だったことなど、
意地の悪いオネエやほぼオネエに近い女性達の耳目を奪っただけではなく、
一般男性の注目も集めていました。

 私の実感では犯罪の内容に興味を持って
このニュースを見ていた方はほとんどいないはずです。
みんな「何だこれは!」という規格外のものを見たいという気持ちでニュースを見ていたのではないかと思います。
被害にあわれた方に対しては大変不謹慎ですが、少なくとも私にとってはそうです。

 もちろん誰しも好きなファッションをする権利がありますし、
私も好き勝手なファッションをしている側なので、
見た目について人のことをどうこう言うのは大変野暮だと思います。
ただ、今回に関しては
被疑者が自立心旺盛な美魔女とは違うベクトルの古典的な、か弱い女性像に執着し悪用をしたこと。
海外逃亡をし、現地で自分より30歳も若い交際相手を作り、その男に大金を貢いだこと。
帰ってきて、詐欺を行った理由が「自立したかった」ということなど、
正直、あらゆる点で規格外であり、私もついつい耳目を奪われてしまいました。

規格外がいなくなった成熟社会

 そういえば昔のテレビには、規格外の方々が普通の番組に沢山出ていました。
しかし、テレビが巨大産業となり、一般の企業と同じようにコンプライアンスや
幅の広い視聴者に配慮するようになった結果、
制作する番組ではテレビ局の規格内で計算ができる出演者ばかりとなりました。
それはそれで時代の流れとして仕方ないのかなと思います。

 そんな中でみんなが安心して規格外を見られる番組、
それが現代ではワイドショーなのではないかと思います。
報道の形を取っていますが、どう考えてもセンセーショナルな映像を観て、
あれこれ感じたいという視聴者のための番組作りになっています。
さらに最近のワイドショーは芸人さんが司会やコメントをする番組が増えています。
私には偶然とは思えません。
制作者が敢えてイジりが巧みな芸人さんに仕切りやコメントをさせているのではと思えます。

人間観察と自戒の場

 私がワイドショーで規格外の方を見たい動機は、若い頃は好奇心だけでした。
でも捕まって話題になる方々がやがて同世代になり、年下になり、
ということが増えていきました。
当初はモンスターを見るような感じたったことが
段々加害者も被害者もとても身近に感じるようになったのです。
そして、自分も一歩間違えたら法律の越境者となってしまうかもしれないという危機感を覚えるようになりました。
だから枷が外れてしまった人間を見ておこう。
今はそういう自戒の意味も込めているような気がします。

 ワイドショーの制作者もきっと同じように、この現代社会ではそういう危うい状況に
みんないるのだと知らせるために、敢えて懲罰的なスタンスを取っているように思えます。
ただ、社会道徳や正義という、危うい価値観で斬り込むので人権侵害や
間違いもあります。それも含めて社会の縮図なのです。

 その危うさを分析しながら見る。
マスコミの道徳と正義の基準をチェックする。
ネットやSNS、友人との意見を比べて時代のトレンドを知る。
そして自分の価値観を確認したり、修正したりする。
そのために私は下世話だなと思いながらも、何となく見てしまうのです。
あなたはどういう風に見ていますか?


Text/肉乃小路ニクヨ

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ライタープロフィール

肉乃小路ニクヨ
東京の片隅でひっそり生き続けるちょっぴりしょっぱくてサワーなニューレディー。オーバー40歳、崖っぷち女装
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