欲望をむき出しにすると

でも、法律に触れないにしても欲望をむき出しにすると
何故か足を引っ張られます。
社会というのは人間が寄り集まってできている共同体です。
みんなで集まると、みんなのために、自分の欲望をある程度
我慢しているのです。そうやって社会は円滑に回っています。

そんな中で欲望をむき出しにすると
周りはどう思うでしょうか。
自分勝手、自己中心的、下品。
そう思われ、足元をすくわれます。

かといって、自分のやりたいことを
周囲に遠慮して抑制していては
生きていても面白くない。
そんな時に「上品さ」が非常に役に立ちます。

欲望にかけるヴェール

上品さは、自分の欲望にかけるヴェールだと思ってください。
欲望をヴェールで包んで、実行する。

たとえば品の良いお嬢さんが
「私って食べ物を前にするとおばかさんなの、ごめんあそばせ」
と言って食べ物に手を伸ばすと微笑ましくて私は目を細めます。
たぶん自分が多少お腹が減っている時にされても、ある程度は我慢できます。
本格的に腹が減っていたら、
イラっときて意地悪をするかもしれませんが。ほほほ。

欲望を包み隠す上品という名のヴェールは
具体的にはエレガンスとユーモアと謙虚さです。

いつでもエレガントに振る舞い、少しの笑いを忘れず、ごめんあそばせって
やっていると、意外と自分の欲望を通しても、
人から足を引っ張られることはなくなります。

つまり
少しでも我慢せずにやりたいことをやり通したい方は
エレガントで、ユーモラスで、謙虚に見える行動やマナーを心がけると
合理的にやり通せるのです。

そう考えると上品さを身につけたくなりませんか。
だから、私は淑女に憧れるのです。

Text/肉乃小路ニクヨ