月8万円で同棲できる?借金がある恋人と暮らしていた生活費の内訳

大泉りかコラム

「子ども3人の5人家族で、月の食費2万円台」というニュースが話題になりましたが、みなさんは毎月の食費を、しっかりと決めていますか。わたしは食費として個別に予算を計上することなく、シャンプーや洗剤といった日常品や、家族で外出した際の外食費、レジャー費、光熱費をざっくりとあわせて「生活費」というくくりにして、その中で毎月やりくりしています。
というのも、独身時代は、食事は、人とコミュニケーションをとるための機会だと考えていました。ゆえにそこでかかるお金は、交際費やレジャー費、さらには取材費といった仕事の必要経費でもある。その経費を切り詰めることは、イコール人と会う機会を損失することということで、予算をあまり厳密に設定したくなかったことがあります。

月4万円ずつ出し合っていた同棲生活

そんなふうに、わりと行き当たりばったりのお金の使い方をしてきたわたしですが、一度だけしっかりと、それぞれの予算を割り振っていたことがあります。あれは、収入が低い上に、多額の借金のあった恋人と同棲をしていた当時のことでした。

その頃の月の生活費は、恋人とわたしとが4万円ずつ出し合っての計8万円でした。というと、十分に贅沢に思えるかもしれません。しかし、この中には水道光熱費も含まれています。季節によって多少の変動はありましたが、だいたい2万円くらいはかかっていたので残り6万円。
さらに通信費の1万円を引いて5万円。これで2人分の食費と日常の消耗品代を賄う。うん、意外と余裕……と思っていたのは最初の頃だけでした。

料理というものは、ふたり分作ったほうが安い。そう思われていますが、必ずしもそうというわけでもない。なぜならひとり飯というのは、自分が満足をすればいい。なので、卵かけご飯や具なしの素麺で済ませても、自分がそれで満ちたりさえすれば、まったく問題はないのです。が、他人に振る舞うとなると話はまったく変わってきます。メインのおかずに汁ものくらいは付けなくては、という気持ちになる。

もっとも汁ものなんて、冷蔵庫のクズ野菜をブチ込めば済む話なので、さして食費には響きません。問題はメインのおかずです。おかずを特に必要としない質素メシを好む恋人であればまた違ったのかもしれないのですが、わたしの付き合っていた相手は、がっつり系でかつ、とにかく偏食の人でした。
「頭のついた魚」「牛以外の塊肉の焼いたもの(ようするに鶏の照り焼きやポークソテー)」が基本的に苦手で、さらには「関西出身なので、カレーは牛以外だとバカにされている気分になる(笑)」とまでいう上に、カレーだけでは物足りずにコロッケやエビフライを付けてほしいとリクエストする人だった。そんな相手に日々出す食事ってハードルが高い。