あなたの「性の目覚め」は?エロを仕事にしているほど、私はエロが好き

大泉りかコラム

午前中から、もしくは午後一の用事で、あまり馴染みのない街を訪れた際の楽しみといえば、どこの店でランチをするか。わたしの場合、孤独のグルメランチ(=酒抜きの外食)は、ラーメンをチョイスすることが多く、先日、高円寺に出向いた際にも、用事を済ませた帰りに、家を出る前から「ラーメンを食べよう」と、決めていました。

その日は完全にこってり系の気分だったので、『ば〇こて』にするか、それとも『天下×品』か。「ば〇こて・天下×品・ば〇こて・天下×品……」とぐるぐると考えていたところ、ふと思いつきました。まるでペニスの隠語のようではないかと。「あぁ、あなたのば〇こてが欲しいの」「俺の天下×品は、どないや?」ってまんま官能小説に使えそう。なので、忘れないうちにスマホを開いてメモをした……というと、非常に官能小説家らしい気もしますが、さて、エロを仕事にしているくらいに、わたしはエロが好きです。

性に並々ならぬ興味があった幼少期

子どもの頃を思い返すと、道に落ちているエロ本を見つける度、「なにこれ~! 変なの~!」と蹴飛ばして道の隅に寄せるふりをしつつも、「次ページ! めくれろ! めくれろ!!!」と願っていましたし、なにか性的な情報が載っている気がして、家になる国語辞典や家庭の医学を読み耽り、“恋”という字を辞書で引くよりも、“性器”という字を引くほうが早かった。

もっとも、幼少のみぎりから性に並々ならぬ興味があったという話は、さして特別というわけではないとも思います。実際、取材で“性の目覚め”を尋ねると、「親が買ってくる週刊誌からエロい記事見つけて、貪り読んでいた」とか「兄がこっそり隠してあったエロ本を見つけ出して、こっそり見ていた」などと語ってくれる女性は多い。

わたしもまったく同じで、家族の留守に父親の雑誌を漁り、『週刊文春』に「淑女の雑誌から」というコーナーがあるのを見つけたときは、飛び上がりそうに喜んだもので、やがて思春期になるとなけなしのお小遣いで、セックスの記事が載っているティーン向けの雑誌をこっそりと買い求めるようになりました。
おそらくは編集部から発注を受けたライターが書いているに違いない『読者の性体験告白』を読み、「オナニーにマッキーを使うなんて!」と衝撃を受け、試してみたかったけれど、「それで処女膜が破れてしまったら……」と思って躊躇したり、「おしっこを我慢してオナニーをすると気持ちがいい」という知識を仕入れて、そちらは挑戦してみたりと、いま思えば性的好奇心に突き動かされて自己探求をしていた。