家事や育児の分担をもっと話し合えばよかった

だから、それまでの家事の分担率を見直し、新しい生活のペースを作ろうとしたものの、これがなかなか大変だった。なんせ、育休を取らなかった夫は、これまで同様の仕事があるわけで、家事の分量が増えることは、イコール日々の負担が増えることになる。けれど、妻のわたしからすると、産褥期のぼろぼろの体で、慣れない新生児の世話をしつつ、これまでと同じように家事をこなすのはツライので、少しでも負担は減らしたい。

優しさと当事者精神に溢れた、気が利く男性ならば「全部、俺がやるよ!」と頑張ってくれると思うのですが、あいにくそういうパートナーばかりではない。我が家でも、家事の負担の偏りを可視化できる色分け家事分担シートを見せたり、育児の何ができて、何ができず、何をしたくないのかをヒアリングして話し合ったり、時には喧々諤々の言い合いで、険悪な雰囲気になったりと、相当な労力と気力を割き、なんとか「子どもがいる」という生活のペースを築くことになったのですが、正直なところをいえば、出産前の余裕のある時期に、家事や育児の分担について、もっと話あっておけばよかったなと思っています。

いったい何が言いたいのかというと、新型コロナの影響で、激変してしまったこの状況は、パートナーとの関係を見直す、いいきっかけになるのではないかと思うのです。互いに在宅ワークになった場合に、まざまざと見えてくる家事の不均衡。そこを平均化しようとしたときに、あっさり受け入れてくれるのか、それともああだこうだと理由をつけて、避けようとするのか。「産後、こんなはずじゃなかった!」と絶望しないように、なにとぞお見極めを……。

Text/大泉りか