夫婦の会話ネタがなかなか見つからない問題

さて、恋愛感情うんぬん以前に、夫婦になると困るのが、会話のネタです。我が家でも気が付けば、三歳になったばかりの息子がいかに可愛いかという話ばかりしている。もちろんそれも悪くはないのですが、それでは父と母という関係のみに没してしまう。もう少しお互いに向き合った会話をしたい。が、そのネタがなかなか見つからない……。

会話のネタを探すもっとも安易な方法としては、「家で一緒にテレビを観る」という手段があります。しかし、チャンネルの選び方がちょっと難しい。ニュースやワイドショーは不倫報道やら政治家のバカ発言やら未知のウイルスやらで殺伐としていて、観ていて楽しい気分になりにくいし、感想を言い合った場合に、お互いの主張が合致していればいいのだけれど、ちょっとしたスタンスの違いで揉め事の種になったりもする。
あと、どうでもいいニュースにお茶の間から物申す配偶者の姿に、なんだか気分が萎えてしまいそうでもある。かといって、ドラマやバラエティは好き嫌いがハッキリするし、ドキュメンタリーはつい見入ってしまって気軽に会話がしづらい。

昔デートで行った場所を再訪する

ではどうすれば会話のネタに困らずに、配偶者と楽しい時間を過ごせるのか。そこでわたしが提案したいのは、恋人時代にデートで行ったことがあるけれど、ここのところ足が遠ざかっている店を久しぶりに訪れること、そしてそこで昔話をすることです。

「前に来たとき、なんでこの店に来ることになったんだっけ?」「ほら、●●さんに勧められて……そういえば●●さんって最近見ないけど、何してるんだろう」というふうに、ふたりの紡いできた歴史を共有し直すことで、出会った頃の懐かしい気持ちや、これまでの楽しかったことなどが蘇ってくる。「そういえば、前によく行ってた××にも最近行ってないね」「じゃあ、今度はそこに行こうか」なんて展開になると、近い未来の楽しみができることになって、そこにトキメキも生まれる。

過去の自分たちの助けを借りて、「わたしたちは恋愛をしていた」という事実を再確認すると同時に、「あんなに仲が良かったんだから、これからだって仲良くやっていける」という励ましにもなる。オススメです!

Text/大泉りか