子どもが生まれて変わってきた旅行スタイル
我が家では年に一度、だいたい6月頃に、夫と海外旅行に行くのが恒例行事となっています。子どもが生まれてからもその習慣は変わらず、一昨年は台湾、去年はウラジオストクで、今年はマレーシアに行きましたが、やはり子連れの旅になるとこれまでと同じようにはいきません。
まずは行き先自体に縛りが出てきます。国際線は2歳までは膝の上に乗せている限り、幼児の代金は無料、もしくはわずかな料金で乗ることができるのですが、2歳の誕生日を迎えると、ひと席のキープが必要となり、チケット代もほぼ大人の同料金がかかるようになるのです。
航空券代の高い遠方は厳しいし、そもそも幼児を連れての長時間フライトは負担が大きいこともあり、どうしても安・近・短のアジア中心になってしまう。
もうひとつにして、最大の変化といえば、夜遊びができなくなってしまったことです。なぜならわたしのライフワークのひとつに、世界各国のエロスポットを巡ることがあるのですが、18禁の秘宝館はもちろん、ゲイバーや売春地区を覗きに行くなんてことも、子連れではちょっと難しい。
アジアの国々は、日本に比べれば子連れに寛容で、タイなんかでは深夜でも子連れの家族が屋台で食事を取っていたりしますが、それでもさすがに酒池肉林なストリートでは、姿を見かけません。
エロスポットの少ないマレーシアでよかった
もっとも今回、6月頭に訪れたマレーシアはそういう意味で都合がよかった。イスラムの国だけあってエロい場所があまりないのです。テーメーと呼ばれる、売春婦の集う援交カフェや、表向きにはスパやマッサージ店として営業している店も存在しているそうですが、さほど公にはなっていない。
だからこそ、諦めがつくといいますか「そこに楽しそうな場所があるのに!」とじっと指を咥えて我慢しなくても済む。
ちなみにうちの夫、過去には台湾では怪しいマッサージに突っ込んでいって乳首をいじられ、中国の珠玉では、一緒に入ったマッサージの個室で提示されたオプション表に“抜”という文字があったからと、大喜びで追加したところ予想を大きく裏切られる施術をされたりと、なかなか酷くて愉快な目にあってくれるのです。
マカオのカジノでも、どうせ無理なことを見越して、「100香港ドル(日本円で1300円くらい)の資金で、もしもスロットを大当てしたら、そのお金でサウナ(日本のソープランドのような感じ)に行ってきていいよ」と条件を提示してみたら、いきなり当てて、「まさかの奇跡が!」と色めき立ちましたが、最後にはすべて飲まれてしまいました。ざーんねん!
夫婦揃ってバカじゃないの? って思われるかもしれないけど仕方がない。だってわたしも夫も、俗らしいことが大好きなのです。
夫婦であっても、同性の友達たちとの旅行のように、いろんな経験が積めたほうが面白い人生を送れるのではないか、と思うのですが、けれどもさすがに、息子の世話を押しつけられているその間、いそいそとひとりで楽しげなところに出かけられたら、それはそれで腹が立つ……ということを踏まえると、アジアの中では比較的誘惑の少ないマレーシアは、家族旅行には、うってつけの行先でした。
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