「お前って俺のこと考えてくれないよな」と嘆き…弱者ぶるモラハラ男

モラハラ男

「当時はモラハラだと気づかなかった」

過去、モラハラ男性と付き合っていて、別れた経験のある女性に話を聞くと、皆、口を揃えて「その当時は、モラハラだと気が付かなかった」といいます。例に違わずわたしも、かつてお付き合いをしていた男性にモラハラを受けていたとは、まったく気が付いていませんでした。

もっともその彼のことは、付き合ってすぐに、とにかく価値観の合わない人だと思いました。けれども、好きになるのと、価値観が合わないことは別の話。むしろ恋って、自分とは違うところに魅かれて始まることも珍しくはないと思います。

例え価値観の合わない相手であっても、お互いが好きあっているというベースがあるのだから、歩み寄りで信頼関係を築くことは、さほど難しくないと思っていました。けれども、その歩み寄りの姿勢が、結果、彼のモラハラ行為を許容することになっていた。それに気が付いたのは、別れてしばらくたってからでした。

彼を傷つけてばかり…うっすらとした罪悪感

あるとき、友人たちと、とある野外フェスに行こうと盛り上がったことがありました。恋人も行きたがるだろうと思って誘うと、彼は悲しそうにこう言ったのです。

「俺だってすごく行きたいよ。でも俺には仕事があるし金もないから行くことができない。それなのにあなただけ行くんだ?」と。

仕事があるのも、お金がないのも、もちろんわたしのせいではありません。けれども、そんなふうに言われて、若干の負い目となんとも後味の悪い罪悪感を抱きました。

この件に限らず、モラハラの彼と付き合っている最中、わたしは「彼を傷つけてばかりいる」という、うっすらとした罪悪感を常に抱いていました。というのも、わたしが意に添わない言動をしたときに彼は、本当に悲しそうにするのです。

あらかじめ決まっていた飲み会を理由にデートを断ったときや、彼の苦手な女友達と会う約束があることを話したとき、デートにスニーカーを履いていったときでさえ、「お前って、俺のこと、少しも考えてくれていないよな」と嘆き悲しむ……と、ここまで書いててバカらしくなって思わず今、鼻で笑ってしまいました。

なんでスニーカーを履いていったぐらいで、へこまれないといけないのでしょう。確かに彼は脚フェチだったので、スニーカーでわたしが訪れたことに「尊重されていない」と被害者意識を持ったのだろうと思いますが、ちょっとナイーブすぎやしないか。