息子への性教育
だからこそ心配な部分もあります。女性を暴力的に扱ったり、女性への支配欲に基づいたりしている性的表現は、できる限り息子の目に触れさせたくない。
世の中は、そうした女性の尊厳を踏みにじるようなコンテンツにも溢れています。現に、わたしがムラっとした時にアクセスすることのある、官能告白サイトの投稿や、無料のエロ漫画サイトにあるコンテンツも、ほとんどがレイプや輪姦や調教や……ってアレ。我が身を振り返れば、わたしこそが、息子には見てほしくないようなサイトの愛好者なのです。
もちろん、尊厳を否定されるような性行為を現実に強いられるのは絶対に御免です。けれども、妄想して興奮はしている。自分がそうなのに、息子にはそこにアクセスしてほしくないだなんて、ダブルスタンダードもいいところです。
だからわたしは、「このエッチはいいけど、こっちのエッチはダメ」と善悪を勝手に決めつけることはしたくないと思います。その代わりに、妄想は自由だけれど、現実の女性は人間であり、傷つけたり、搾取したり、支配したりできると考えてはいけない、ということをきちんと教えていきたいと思っています。
最後に余談ですが、キッズフィルターのかかったパソコンで、友人のお子さまがわたしのラノベを検索した様子があったそうです。ところが、フィルターに弾かれて表示されなかったとか。キッズフィルターのゾーニング、なかなかやってくれますね……。
Text/大泉りか
次回は<「母親」になりすぎないために、育児を外注して女友達とパーティーしよう! >です。
夫が「父親」になっても変わってくれない!……と責めるのも大事だけれど、女性だって「母親」を降りる時間が必要なのかも。家事・育児を外注して、「らしい自分」を取り戻すために、今晩は女友達と飲みに出かけてみては?