義実家という「よその家庭」が私の「生まれ育った家庭」の呪いを解くかもしれない

結婚相手は選べても

義母と義父が子どもの面倒を見てくれている画像 Pixabay

九州出身の男性と結婚した女友達がいるのですが、彼女がたまに漏らす愚痴といえば、義実家に帰ると当然のごとく“うちの嫁”扱いをされること。東京の核家族出身の彼女と、三世代同居している義実家とでは、家族観にギャップがありすぎる。特に盆正月休みの帰省から戻った後など、不平がたっぷり詰まったLINEが届きます。

かといって、東京出身同士ならうまくいくかというと、必ずしもそういうわけではない。東京に実家がある者同士で結婚した別の女友達いわく、「義実家に行くと、クラシックが流れるダイニングに座らされて、ワイングラスに銀のフォークとナイフが出てきてしんどい」そうです。

家庭の常識は、その家によってまるで違います。そして、結婚相手は選べても、そこに付随してくる義実家までは選べません。もちろん、一世一代のことだからと、義両親との相性まで含めて、慎重に結婚相手を選ぶ女性もいると思いますが、多少合わなさそうであっても、「遠くに住んでいて、滅多に会うこともないから」と、目を瞑ることのほうが多いのではないでしょうか。

付き合ってすぐに彼の実家へ

さて、うちの夫婦の場合。わたしの出身は東京の西側で、実家はサラリーマンの父と兼業主婦の母、そして弟と妹という家族構成です。一方の夫は、東京の東側、ザ・下町の出。家族構成はお父さま(現在は故人)、お母さま、お姉さま、そして、お姉さまのご主人とそのお子さまが同居しています。

夫の実家にお邪魔したのは、付き合い始めてわりとすぐのことでした。わたしが、前の恋人が出て行った後の湘南の家に、ひとり(と飼い犬のアメちゃん)で住んでいた頃です。その家に遊びにきた夫が、うちの駐車場に停めてある車を見て、「明日、ドライブがてら、うちの実家に遊びにいかない?」と誘ってきたのです。

付き合ったばかりで相手の実家に行くだなんて、正直あまり気が進みません。が、「ものすごく久しぶりに彼女が出来たから、親に会わせたい」というのです。そこまで言われると心が動き、相手のご実家へ行くことになりました。