私を認めてくれる人と結婚にたどりつくまで
「恋人のやりたいことを尊重する」という意識は、多くの人が持ち合わせていると思うのですが、一方で「自分がして欲しくないことは、しないで欲しい」と考えるのも当然です。恋愛の常識でいえば、「恋人のセックスを独占できる」のは当たり前のこと。ゆえに、「彼女が外で脱ぐ」「彼女が他の男とエロいことをする」「彼女がエロいことを売りにして、スケベな男性がエッチな視線を向ける」ということに、嫉妬をおぼえるばかりでなく、自分が軽んじられているような気持ちを抱く男性のことを、責めることはできません。
だから、前もってわたしのパーソナリティを知っていて、付き合ったはずの男性が、いざとなって「そういう生き方は辞めてくれ」「そういうことをするのは辞めてくれ」と苦言を呈してくると、「それはもっともだ」という気持ちと、「したいことを邪魔しないでくれ」という相反するふたつの気持ちがせめぎ合って、葛藤する。
恋人を選ぶ時に、優先すべきことは、「エロいことを仕事にしているわたしを認めてくれる人」だと理解しているのに、条件にかなわない人を度々好きになってお互いに苦しむ――そんな恋愛をくりかえしながらも、パーソナリティを認めてくれる人との結婚になんとかたどりつきました。その道のりについて、次回からしばらく、綴っていきたいと思います。自分と恋人の間で、折り合いがつかなくて苦しんでいる女性が、少しでも楽になって勇気を得るきっかけになっていただけると幸いです。
Text/大泉りか
次回は <わたしは「つまんない女」なんかじゃない。エロの世界に飛び込んだころの彼の言葉>です。
「エロいこと」を仕事にしている大泉りかさんが、現在の結婚にたどり着くまでの軌跡を辿ります。今週は、初めて人前で脱いだ頃に付き合っていた恋人の話。酒に酔うたびに「つまらない女」だと挑発してきた彼との出会いと別れとは。
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