『選択』すると「性」が変わる
それまで性というものは、プライベートなものだと思っていました。恋愛であったり、金銭であったり、と、何かしらの特別な関係がないと共有できないものだと思っていたのです。けれど、それは勝手な思い込みでした。「自らの性」のすべてを、自分が所有しているという実感――性は、特別な相手とひそやかに分け合うものだけではない。「男性に抱かれること(=セックス)」「男性に抱かれる代わりに、自分で慰めること(=オナニー)」以外でも、楽しみ、感じ、実現することが出来る――ターニングポイントで選択したこの「脱ぐ」という結果が、この後のわたしの人生にずっと関わってくることまでは、その頃のわたしはまだ知りませんでしたが。
臆病で変化を嫌う人は、おそらくターニングポイントは少なく、挑戦的で状況に満足しない人ほど、ターニングポイントは多くなるでしょう。
しかし、自分からはターニングポイントを求めていない前者であっても、勝手に、絶え間なく(克服を迫られる)ターニングポイントがやってくる場合もあるのが、人生の皮肉です。しかし、どうであれ、ターニングポイントが訪れた時には、自分の意志を持って『選択』することが大切だと思います。
なぜならば、後悔ばかりの人生を送らないために必要なのは、『選択』する勇気で、自分で選んでさえいれば、例え、世間にどんなにその選択を謗られても、言い訳をすることなく、堂々と胸を張っていられるからです。人の目を気にして流され続けたあげく、後悔ばかりの人生ほどつらいことはない。それを避けるためには、自分の頭で考えた『選択』を続けるしかないのです。
Text/大泉りか