中年男性と女子高生のアンビバレンツな関係
90年代後半――あの頃、-デートクラブに出入りする男性たちは、やはり風変わりな人が多かったように思えます。
自称大学の教授は、一度指名した女のコと次に会う時に、自筆のラブレターを渡してくると有名でしたし、ほぼ毎日のようにデートクラブに訪れ、指名した女のコを池袋文芸座の喫茶店に連れていき、紅茶とラズベリームースをオーダーし、食べ終わるまでのキッカリ45分間、女のコのおしゃべりをただひたすら、ニコニコしながら聞いて帰るというのが日課の老紳士もいました。
ちなみに自称大学の教授には、わたしもラブレターを貰ったことがあったのですが、そこには「キミは池袋の雑踏で居場所がなくて震えている子猫ちゃん」というオザケンも真っ青のポエムが書かれていましたが、あの当時、池袋のデートクラブに出入りしてる女なんざ、残飯を漁って溜めた金でシャネルやグッチやヴィトンを買ってやるという物欲に塗れているわけで、震える子猫どころか中年男性の財布を狙うハイエナです。
家庭での“善き娘”の役割に違和感を感じ、自分の「気持ち良さ」「楽しさ」を見つけ出そうとして逃げてきたわたしたちにとっては、都合のいいファンタジーとしての“女子高生”の役割を担わそうとする中年男性の願望は「知らねーよ!」の一言でした。
しかし、多くの中年男性たちは、金を払うことで、そのファンタジーを叶えようとしているわけで、我々は敵対しながらも、一方では互いを利用しあっているという、アンビバレンツな関係だったのです。
せっかくなので、中年男性とのセックスについても言及したいと思います。
中年男性が女子高生を買う場合、なぜかほとんどは「それなり」のホテルを用意してくれます。
同じ高校生の彼氏と行くラブホテルは、安さ優先ですが、やはりそれなりに年を取ると、あまりに惨めったらしいホテルを選ぶことは気が引けるのでしょうか。
ホテルに入ると、その後は普通の恋人と同じ……と言いたいところですが、多くの女たちはタケノコ剥ぎのシステムを採用していました。
キスはNG、フェラチオはプラス1万円、口内発射はさらにプラス5千円、といったようにです。
「制服を着たまま」というリクエストをしてくるような真正のロリは意外と少なく、ただ、「若い女とセックスがしたい」という欲望を突き詰めていったところ、「金を介在すればセックスすることの出来る、最も若い女が、その時代では16歳から18歳の女子高生である」という事実と直面し、「なら、ちょっと買ってみるか」という軽いノリで買春を行っていたようにも思えます。
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