ベッドを共にした男の名前と顔
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この冬、三年の交際期間を経て入籍をした夫と、夫婦となって三年目に突入した。“新婚”と呼ばれる期間がいつまでなのかは諸説あるが、さすがに三年目ともなれば胸を張って「新婚です」とは言えない。
むしろ三年目といえば“浮気の年”と言われている。いまだ中高年層の間で定番のデュエットソングではないが、科学的にみても恋愛の賞味期限――ドーパミンが大量噴出される期間――は三年が限界という説はあながち間違いではないようで、わたし自身、結婚する以前に付き合った男性とは、九割方が三年以内に別れている。
しかし、その『別れた男たち』がいったい何人いたかは覚えていない。
十代の頃、ふと思いついて、件の某男性文化人のごとく手帳に名前を書きだしてみた。ついでに、付き合った付き合わないは関係なく、セックスをした男の名前も書き記しながら、「今はかろうじて記憶にあるけど、そのうちすっかり忘れてしまう人も出てくるんだろうな」と思ったことをなんとなく覚えているし、それから二十年が経った今、ベッドを共にした男の名前と顔を全員覚えているかというと、答えは当然「ノー」だ。あの頃のわたしの予感は正しかった。
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