七夕を過ぎました。
この季節、東京近辺はたいてい梅雨のまっさかりで、晴れることが少ないです。もちろん、もともとの七夕は旧暦7月7日、今年で言うなら8月20日ぐらいなので、この国が新暦を採用するまでは二人はもっと頻繁に会えていたということになります。
単身赴任で別居してる夫婦が、社会の要求するカレンダーに無理やり合わせる生活を強いられた結果、年に1回の休みさえとれずに全然会えなくなっちゃった、みたいな話でしょうか。
そう考えると七夕ってすごく現代人らしい節句ですね。
ま、今どきの織姫と彦星は、会えない夜にもきっとSkypeとかLINEとかでこっそり話してるんでしょうけれど。
というわけで、織姫と彦星のように男女の気持ちがすれ違う「怨霊ラブメモリー」、今週も美味しい投稿がたくさん届いております。
ではさっそく。
どっちの男のパンツだかわかりません……
えりささん(東京都)
エピソード:
彼氏はいるものの、ときおり酒の勢いで他の男と一夜を楽しんでしまう私。
その日も自宅で朝起きたら、隣には後輩の男子が裸で寝ていました。
当然、前日の飲み会の記憶は途中から途切れております。
二日酔いの頭でなんとか状況を把握し、急いで仕事に行きました。
そんなこともすっかり忘れていた2週間後、ベッドの下からボクサーパンツが出てきました。
彼氏に「パンツ忘れてったよ」とLINEしようと思った矢先、2週間前の後輩の顔がよぎりました。
(これ、どっちのパンツだろう…)
どちらに聞くこともできず、とりあえず匂いを嗅いでみましたが、匂いでは判別不能でした。
なんにせよ、パンツを履かずに帰るというのはどのような状況だったのか、謎は深まるばかりです。
結ばれてあなたが置いていったもの彼方に消える あおい香りと(えりさ)
ふむふむ。真相はたぶんこうです。
帰り際、後輩くんはこっそり探したんですよ。でも見つからなかった。パンツを探す姿や見つかったパンツをはく姿は、女性に見せたくないものです。
「パンツないや……どこだろ?」みたいに気楽に聞ける関係ではないし、初めて入った他人の部屋を勝手に家探しするわけにもいかない。よくいえば紳士的、悪くいえば臆病。
それで、まだ酒が残った状態の鈍い判断力で「もういいや『直接ズボン』で帰っちゃおう……」となったんです。
彼氏の物だったら「俺のパンツ、ちょっと探して!」ぐらい言われてるはず。何度か入ったことのあるベッドなら、どこにパンツが落ちるか予想もつくし。
女性なら「本命の彼女が気づくように置いてきちゃえ」みたいな策士がいるとかいないとか聞いていますが、男相手にはあまり効果的じゃないですね。鈍感で気づかない可能性が高いので。
まあ、後輩くんがまたそういう関係になりたい相手なら、洗ってたたんで渡して「これ君のでしょ。好きな匂いがしたからすぐわかったよ!」と言えばイチコロですね。
どうでもいい相手だったら、パンツもろともゴミ箱にポイ、で解決です。
本命の人を傷つけないように香りのしないキスを交わした
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