ほんとうはまだ好きだよとエイプリルフールに君は言うんだ ずるい

ほんとうはまだ好きだよとエイプリルフールに君は言うんだ ずるい Ryosuke Yagi

 大人になることの本質は「実務的になる」ことなんだと思います。

 学生のころは「勉強したくないなあ」「レポート書きたくないなあ」とだらだら時間を過ごしていても、許される。

 でも、社会人になると残念ながらそうも言っていられません。限られた時間で効率的に動いていかないと、こなすべきタスクはどんどん溜まっていきます。

 遊びも「漫然と時間をつぶす」みたいな小学生的な遊び時間はどんどん減ってきて、予定を立て、スケジュールをきちんと組んで遊ぶ、という機会が増えてきます。

 そして恋愛行動も、いつしか実務的に。

「あの人のこと、ぼんやりと好きだけどどうしようかな……」というような曖昧な気持ちをほったらかしにして何も行動せずに悶々とするのは、年をとって「実務」に慣れてくると、むしろストレスになります。代わりに考えるのは、

「自分をアピールするためにどういう服でどういう店でどういう会話をするか」
「この人は付き合う相手にふさわしい人間かどうか、慎重に評価しなければ」
「万が一、ホテルに行くことになった場合に備えてこういうシミュレーションをしておこう」

などなど、実務的戦略ばかり。「淡い恋心をそっとしまっておく」みたいなものだった恋愛が、いつの間にか「ゴールを設定してそれに向けてチャレンジするタスク」の顔をしています。

 実務型恋愛が行き着くところに行き着くと、デートの終わりに「今度よかったらセックスしませんか」「ああ、いいですね、今度ぜひ」みたいな会話をするようになったりします。

 あ、ごめん。

 単に僕が間違ったほうの大人の階段をのぼってしまっただけだ、これ。

 そんな僕を諌めるべく「これが恋ってもんなんだぜ」みたいな若者たちの投稿が今週も集まりました。

 怨霊ラブメモリー、今回は「卒業編」最終回です。

 まずは僕の中のさびついた青春回路がうずうずする投稿を2本、ご紹介。