強者と弱者が逆転

アル

毒親は「自分は正しい」「相手が間違ってる」というスタンスを変えないから、戦いようがないんだよね。なので私は「戦うよりも、逃げるが勝ち」という意見です。
私は住所も教えてなかったけど、なるべく電話も出ない、メールも返さないようにして、接点を減らすのがベストだと思う。

毒親育ちで「話し合って和解」というパターンは聞いたことなくて、基本、親が年をとって攻撃力が弱るパターンが多い。なので敵が弱るまでなんとか逃げ切って、自分を守ってほしいです。

Nさんが「恐怖が蘇り、言葉が出なくなる」のは当然の反応だと思う。子どもの頃からずっと「親は絶対的な支配者で、恐ろしい強大な存在」「自分は無力」と洗脳されてきたわけだから。

でも、現実は逆なんだよね。お母さんは経済的にも娘に頼るしかない、非力な初老の女性なのよ。かたやNさんには若さ・体力・経済力・キャリアがあって、しかも夫もいて友達もいる。
現実は「母が弱者で娘が強者」なんだけど、洗脳によって認知が逆転してるんだと思う。

岩倉

「自分の方が圧倒的に強い」と気づいてほしいですね。

アル

相撲をとっても勝てるし。

岩倉

ぶん投げて圧勝ですよね。

アル

私の場合は、母のことを「可哀想だな」と思った瞬間があって。母はまともに働いたことがなくて、コピー機の使い方もわからなかったのよ。

そんな誰かにすがらないと生きられない人が、夫に離婚されて妻の座を失って、「母」しかアイデンティティがなかった。
だから「私は良い母親! 正しい母親!」と思わないと生きられなかったんだなと。だから許すとかじゃないけど、「哀れだな」と思ったことで呪いが減った。

Nさんのお母さんも「娘に頼らないと生きられないのに、娘を奪われた!」とパニックになって、不安で必死に抵抗してたんだと思う。そう思うと「何をするかわからないモンスター」から「何もできないちっぽけな存在」に認知が変わって、恐怖や怒りも減るんじゃないかな。