心の声が爆音すぎて無視できない
___お互いの著書を読んで印象的だった部分はどこですか?
はあちゅう:私、めちゃめちゃ好きなところがあったんです。
美咲:どこですか?
はあちゅう:「フラれるのは告白の仕方が悪かったわけじゃない。なんにせよフラれてたよ」というページ。
もう、スカっとしました。
美咲:ありがとうございます。嬉しい。
はあちゅう:普通、人生相談や悩み相談するときって「相手はこう言ってほしいんだろうな」という甘い答えを言って、相談してきた子を庇う方向になりやすいけれど、美咲ちゃんの本はそれが無いところがいい。
他のページでも、「みんながブスって言ってるんだったら、あなたはブスだ」とか、「それはもう既にフラれてるよ」って、あっさり認めちゃうでしょ。
美咲:そうですね。
はあちゅう:その、まず突き放したところから、具体的な解決策を考えるという、そのスタンスが全体を通してすごく良かった。
ズバっと言っているところが気持ちいいよね。
それから、もうひとつ。基本絶望ベースで、人生なんてつまらないに決まっていて、だから夢を作ったり恋をしたりするんだというのは、すごく腑に落ちた。
そう考えると、とても勇気がわくよね。
美咲:おおー、そこですか。嬉しいです!
私がはあちゅうさんの本を読んで一番感じたことは、「はあちゅうさんの文章は、自分が一度も思ったことがないことでも、丸ごとその気持ちがわかる」ということ。
言葉ってただの記号だから、同じ想いを感じたことがある人同士にしかその記号は届かないと私は常々思っているんですけれど、はあちゅうさんの文章は、私がまだ思ったことがないことでも、思ったことのようにわかる。
これから先、こういう気持ちになるのかもしれないなあというところまで、その気持ちが把握できる。そこがすごかった。
はあちゅう:そう言ってもらえるとすごく嬉しい。
美咲:アラサー女子もそうなんですが、男の人は絶対読んだ方がいいと思いましたね。
女子の気持ちが丸ごとわかるから。どんな恋愛理論を読むより、この本を読んだ方が女性の気持ちがわかる。
50代の胸元のシワの話があったじゃないですか。
はあちゅう:はいはい。胸元から見えるシワに若い女性はひくという話。
美咲:胸元を隠すだけで人生が簡単に変わるということ、そういう些細なことが人生を左右しているって真実だと思うんです。
はあちゅう:私は今まで美咲ちゃんのTwitterの発言を見ていて、自意識レベルではもしかしたら似ているんじゃないかと思っていたんです。
自意識が過剰で、自己顕示欲もそれなりにあるんだけど、それを持て余しているというか、こじらせちゃっているというか。
美咲:ああ、それは感じるところありました。
考えすぎて、考えすぎて、思いとどまったりして、結果、何も考えてない人みたいに見えるんですよね、私。
本当は無意識な瞬間なんて全然なくて、考え続けているのに。
はあちゅう:そうそう。私も気にしてないフリしているけれど、ものすごく気にして気にして気にしてしまう。
___お二人とも、その無意識を的確に文字にして整理してくれているから、読んでいて共感できるんでしょうね。
美咲:多分、はあちゅうさんも私も、普通の人よりも心の声が爆音なんだと思います。
だからはっきりと鮮明に聞こえるし、文字にできるんじゃないかなと思います。
はあちゅう:美咲ちゃんとの対談はすごく楽しかったので、これ、今度イベントでやりたいですね。公開対談やろうよ。
美咲:やりたいです! 今日はありがとうございました。
TEXT/佐藤 友美
はあちゅうさん新刊『恋愛炎上主義。』と
下田美咲さん新刊『生きているだけで死にたくなるような世の中で生きていてもいいような気がしてくる119の名案』
AMで大人気連載中の「毒吐きはあちゅうのアラサー恋愛入門」がついに書籍化『恋愛炎上主義。』(ポプラ社)されました!
世の中に疲れた女子が寝る前に読むと、明日から元気に生きられると各地域で大評判です!
Twitterのお悩み相談で火がついた下田美咲さんの『生きているだけで死にたくなるような世の中で生きていてもいいような気がしてくる119の名案』(竹書房)。
下田さんの答えが斬新すぎて、びっくりするほど面白いです。読むだけで人生が楽しくなりますので、対談と合わせてぜひ読んでみてくださいね!