少女マンガに登場するステキな王子様に胸をときめかせていたあの頃——いつか自分も恋をしたい。
そんな風に思いながら、イイ男とは何か、どんなモテテクが効果的なのか、少女マンガを使ってお勉強していたという人も少なくないハズ。
時は流れ大人になっても、少女マンガによって植え付けられた恋愛観や理想の王子様像は、そう簡単に劣化するものではありません。
むしろ王子様の亡霊に取り憑かれて、リアルな恋愛がしょぼく思える人もいたり?
この連載では、新旧さまざまなマンガを読みながら、少女マンガにおける王子様像について考えていきます。
サポートする王子様『美少女戦士セーラームーン』
『美少女戦士セーラームーン』ブームが再燃しております。
20周年を記念した変身アイテムの復刻、コラボ商品の発表、ミュージカル化などなど、気になる企画が盛りだくさん。
雑誌のセーラームーン特集もいくつか見ましたが、どれも20年前の作品とは思えぬアツさ。
みんなの中で長いこと眠っていた「セラムン愛」が時を超えて目覚めたのですね。
かつて少ないお小遣いに頭を悩ませていた少女たちも、いまや大人の女になり、セラムン関連に心ゆくまでお金を落とせる。
これぞ最高の贅沢。
わたしも早速、コミック『美少女戦士セーラームーン 完全版』(講談社)を購入しております。
『セーラームーン』に登場するのは、変身・戦闘・恋愛する美少女たちです。
戦闘ヒーローものの「紅一点」として闘う美少女たちはそれまでにも大勢いましたが、少女たちだけでチームを組むセーラー戦士たちは、当時とても画期的でした(彼女たちがいたからこそ「プリキュア」シリーズや「魔法少女まどか☆マギカ」のような作品が生まれたとも言えますし)。
しかも、戦闘スタイルが非常にオシャレかつフェミニン。
機能性より様式美が優先されています。
闘うことは、男並みに強くなることでも、泥まみれになることでもないのよ! とばかりに、長い髪をなびかせ、ミニスカートのセーラー服姿で華麗に闘う彼女たちの強さと美しさは、いま見てもたまらないものがありますね。
エロくてかわいくてカッコいい……。