続・プレゼント理論

長谷川:セックスした後のプレゼントについては、どういう意図なんですか?

藤沢:セックスするだけが目的なら、べつにプレゼントを贈る必要もないんですけど。
セックスして、それなりに向こうも好きになってるから、プレゼントなんかあげなくてもあとはセックスできる。
でも逆に、そうやって目的がないからこそ、別にあげなくてもいいからこそ、あげるっていうのがやっぱりいいと思うんですよ。

長谷川:え、どういうことですか。かなり深いですよ、今の。
どういうことですか?

藤沢:そういう意味では一見、経済合理性がないように見えるけど、じつはそうでもないんです。

長谷川:と言いますと?

藤沢:たとえば、子供にテストで良い点取ったらお小遣いあげるっていうふうに金でインセンティブをつけても、子供の学習って上手くいかないんです。
そういうことをやりはじめると、子供はお小遣いがないと勉強しなくなるし、お小遣いを貰うためだけの必要最低限の勉強しかしなくなっちゃうんです。

 宇宙が好きな子供だったら、誰からも指図されなくても、何ももらえなくても、ずっと夢中になって宇宙の本を読み漁ったりする。そうやって知らない間に、誰よりも宇宙にくわしくなったりするんです。
でも、理科の授業で何点取ったらいくらやるっていうふうにしちゃうと、その点を取るため以外の勉強は全くしなくなる。いい教師って、アメとムチで子供に勉強させるんじゃなくて、子供のハートに火をつけちゃうんですね。
抑えられないような知的好奇心を引き出しちゃう。セックスも同じで、プレゼントなんかで釣ってもいいセックスはできない。女のハートに火をつけないとね。
だから、プレゼントをあげたいときは、セックスとは全く関係ないような状況で、いろいろと感謝の気持ちであげればいいんですよ。

長谷川:深いなぁ。なるほど。

藤沢:それに僕は、お金を払ってまでセックスしたい女の人なんて世の中にひとりもいないんですよ。ぶっちゃけた話。

長谷川:昔のハリウッド映画で「1ミリオン払うからお前の嫁さんと一晩やらせろ」っていう映画がありましたけど…。

藤沢:お金で買うセックスは買春だから。世界中で買春マーケットがいっぱいあって、買春マーケットは基本的にすごく安いわけですよ。経済のグローバル化で、セックスなんてコモディティ化してるから。
日本でも2万円とか、アジアだと5千円とかで、お金で買うセックスなんて安いものなんですよ。
だから、それだけの価値しかないわけですよね。どんなにきれいな人でもね。
この辺の話は、週刊金融日記 第17号「なぜ素人女のセックスの方が高いのか?」に書いたんですけどね。

長谷川:ええ。

藤沢:お金をたくさん出してセックスさせてくれる人がいたとしても、その時点で僕にとっては価値がないから。
お金を払うことによってセックスできたとしても、僕は全然嬉しくないんですよ。

長谷川:なるほどね~。たしかにカルティエの時計の金額で仮にできたとして、カルティエの時計の金額で女を買ったようなものかもしれませんね。

藤沢:僕もそこそこお金持ちだから、時計を買うくらいはいいんですよ、経済的にはね。

長谷川:そうでしょうね、この対談前にしたオフレコ話を聞く限りは間違いなく大丈夫ですよ(笑)。

藤沢:僕はぶっちゃけた話、10万円を払ったら世界中のどんな女の人でも1回セックスさせてくれるっていう、ドラえもんみたいな人がいたとして(笑)。

長谷川:ドラちゃ~ん! 会いたいなぁ、そんな人!

藤沢:どんな女優ともセックスさせてくれる券をもらえたとしても、僕はいりませんね。

長谷川:マジですか? 僕にください! それヤフオクに流してください、絶対落とす(笑)!

藤沢:10万円か1万円かとか金額は別になんでもいいんですけど、1万円でどんな女とでもセックスできるっていう券が仮にあったとしても、僕はいらないです。
もちろん転売できるんだったら、トレーダーとしては絶対に買いにいくけど、あくまで転売目的(笑)。

 次回は最終回、恋愛工学の先にあるものについてお届けします。

藤沢数希
理論物理学、コンピューター・シミュレーションの分野で博士号取得。欧米の研究機関で教鞭を取った後、外資系投資銀行に転身。
以後、マーケットの 定量分析、経済予測、トレーディング業務などに従事。
ブロゴス2011年の経済部門では、経済・金融賞を受賞し、活躍は多岐に渡る。また、高度なリスクマネジメントの技法を恋愛に応用した『恋愛工学』の第一人者でもある。

長谷川豊
フジテレビ出身のフリーアナウンサー。14年間「情報プレゼンターとくダネ!」で、現場取材やニュースのリポートを担当。ニュースプレゼンテーションのプロフェッショナル。趣味と公言する競馬ではG1レースの実況も担当。
退社後に始めたブログは19日間で2400万PVと言う日本記録を樹立。
2013年現在はアナウンサーだけではなく、講演・執筆など、多方面で活躍中。