相手は自分の映し鏡!彼の可能性を見積もるあなたは何様?/ジェーン・スー書籍先読み(8)

「ジェーン・スーのチャット相談室」連載で御馴染みのジェーン・スーさん、初の書籍『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』発売を記念して、書籍に掲載されている101個のコラムのうち10個を、AMで独占先読み企画として公開!
10月12日に待望の書籍化がされましたが、こちらで試し読みをしてみてください。

【前回の記事はコチラ】
【7】男の理想は「想像しがたく、理解しやすい女」?

【8】以前付き合っていた男性のプロポーズを「もっといい人がいるかも」という理由でお断りした

この理由でプロポーズを断った人は、おそらく、 一生「もっといい人がいるかも」と青い鳥を探してさまよいます。

ジェーン・スー 私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな ポプラ社 イラストレーション:サヲリブラウン

だいたい、「もっといい人」ってなんでしょうね?  もっといい人ハンターの未婚女がイメージする「いい人」の条件をよくよく聞いてみると、結局、自分にとってもっともっと都合がいい人、自分がどうなっても将来の不安を一切抱かせない人のことを指している場合があります。

それじゃあ、もはや親だ。いや親以上を求めてる。わかります。私たちアラフォー未婚のプロたちも、アラサーと呼ばれた時代にそれをやり続けたクチですから。
まだやってる猛者もいますよ! 今日も未確認生命体を、探し続けています。

当時の私たちの大きな失敗は、不安定な自分の城から、男の安定した城に移り住みたいと考えていたことです。
結婚とは、不安定な城を持つ者同士が、一緒に自分たちの城を作っていくことなのだと知ったのは、年を追うごとに充足していく既婚カップルを見たときでした。
当時の私たちは、20代で早々に結婚を決めた女を見ては「あの男が旦那じゃ頼りないねぇ〜」となにさま目線で語っていました。しかし振り返れば、彼女たちは現状の彼が完璧じゃないこともわかっていたし、それでもある程度は充足していたのでしょう。不足だらけの自分たちを当然のこととして受け止め、それでも一生一緒にいようと誓いを立てたのです。

あのとき結婚を決めた女たちは脇が甘いのではなく、私たち未婚のプロのように「のしを付けてすぐ納品できるような状態の男にならないと、結婚できない!」などという不遜な意識がなかったのですね。
そもそも、彼の現在や将来を勝手に見積もるなんて失礼な話ですよね。自分がそんなことをされたらブチ切れますからね。自分と付き合っている人は自分の映し鏡。「もっといい人がいるかも」と思うんだったら、おまえがもっといい人になれっていう話で……嗚呼、自分の言葉が耳に痛い。

ジェーン・スー 私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな ポプラ社

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