相談を終えて
じっくり時間をかけながら正直な気持ちを話してくれた京子さんに感謝いたします。
「自己中心的な相手」ばかりを選んでしまうのが問題なのではなく、京子さんが意思表示をしないために、京子さんには相手がいつも自己中心的に見えていたのかもしれない…とは、話し始めには思いもよらない着地でした。
恋愛は相手あってのことですが、相手が変わっても同じ悩みが続くときは、原因は自分にあるのだと思います。
京子さんは自分に自信がないから虚栄心だけがムクムクと育ってしまい、嫌われたくないから相手に意思を表明せず、相手が自分を嫌わない「正解」を探す。
でも、相手の意思が二人の関係で常に「正解」ならば、自分の正直な感情が「間違い」になってしまうことが多くなるわけです。
そして、自分にとっての相手の「間違い」は、嫌われたくないから決して相手には伝えられない。それでは自分がすり減ってしまうと思いました。
一方で、京子さんが仕事では「NO」と意思表示ができるようになったのは、「NO」と言ったことで社内での自分の価値が下がるようなことがないと理解したからだと思います。
そして、それが自信につながり、次の意思表示をしやすくするのではないでしょうか。
恋愛でも、同じように「NO」や自分の気持ちを伝えることで、京子さんが愛されなくなるわけではないことが体感できれば、自信も徐々に付いてくるのではないかと思います。
それに、仕事だって恋愛だって、一度や二度間違えたところで人生が終わるわけではありませんから、今まで間違えたことを過度に気に病んだり、これから間違えるかもしれない可能性におびえたりしないで欲しいなと思いました。
Text/ジェーン・スー